2014.12.24 のニュース
荷卸立会い、日常点検励行を
2014年も残り10日あまりとなった。SSにとっては、5月のゴールデンウィーク商戦、8月の旧盆商戦と並ぶ書き入れ時となる。これから年末年始に向けて、ガソリンの給油客が増え、販売量も右肩上がりで伸びていくほか、灯油商戦も本格化し、SSの忙しさも最高潮に達する。
しかし、昨今SSでも人手不足が慢性化しているうえに、セルフSSの「24時間営業・年中無休」に象徴されるような長時間営業も一般化している。SS現場では人のやりくりで最も苦慮する時期でもある。
こうした繁忙期に注意しなければならないのが、人的ミスによる事故である。人は忙しくなるとどうしても注意力が散漫となって、通常では起こさないようなミスを犯したり、安全確認を怠ったがために事故につながってしまうケースが多い。
消防庁がまとめた13年のSSを含む給油取扱所での火災事故は22件、流出事故(油漏洩など)は56件。火災事故は前年に比べ7件減と3年ぶりに前年を下回ったほか、流出事故も3件減と2年連続で前年を下回った。各SSでの事故に対する危機管理意識が高まってきているとみられるが、SSは石油製品という危険物を取り扱うために、常に重大事故につながるリスクをはらんでいる。
一方、資源エネルギー庁が公表した13年度の品質確保法に基づくSSなどへの立入検査の実施状況によると、規格に適合しない石油製品の販売先が100件以上あった。このうち、火災事故またはそのおそれがあるといった社会的に影響が大きい9件の違反事例の内容やその原因を明らかにされたが、とりわけ灯油へのガソリン混入事案が4件と最も多く、SSでの荷卸し時に油種間違いで地下タンクに荷卸ししてしまうなどの人的ミスが事故につながっている。
単独荷卸しを許可されたSS以外では荷卸し時の立ち会いが義務付けられており、SSとローリー乗務員が双方で油種や注入口、数量などの確認を徹底しなければならない。人手不足や作業・接客中などを理由に荷卸しを乗務員任せにすれば、危険物取扱者として安全軽視と言わざるをえない。万が一、コンタミなどが発生すれば、莫大なコストが発生するほか、社会的な信頼失墜も免れず、商売に多大な影響を与える。事故発生リスクを引き下げるため、立ち会いの徹底や日常点検の励行に努めてもらいたい。