2014.12.24 のニュース
15年度のガソリンの販売は増加 今年度の減販の反動でプラスに転じる
日本エネルギー経済研究所は、2015年度の燃料油販売の見通しを発表した。
燃料油全体の販売は1億8000万キロリットルで14年度見込みに比べると2%減を予測している。14年度は1億8400万キロリットル(見込み)で前年比では4.9%減(360万キロリットル減)を見込んでいる。消費税の増税、燃料転換、高値による消費節約などで上期では7%減となっている。
油種別では15年度のガソリンの販売は5420万キロリットルで前年比で1.5%増(80万キロリットルの増)、軽油は0.2%の増を見込んでいる。ガソリンは80万キロリットルの増となり、5年ぶりのプラスとなるが、14年度が大幅な落込み(3.6%減を見込む)による反動によるものである。あくまでも統計上の数字となり、前年度が大幅なマイナスとなったためである。販売数量は、5420万キロリットルと見込んでいるが、前々年の13年度の5540万キロリットルに比べると120万キロリットルも低い水準となりマイナス基調は変わらない。
14年度でみると4月からの消費税の増税が実施となっため、3月に仮需要が発生し前年比で8.5%の大幅増となった。その反動で4月は8.8%の減となった。その後は原油価格が上昇したため仕切価格が値上がり、7月にはガソリンは170円相場となったため、節約が浸透した。加えて夏場は台風、天候不順が続き、減販となった。上期では5.5%の減となり、以後、10月は2.9%減、11月も2%程度の減となっている。減販の要因が重なったことになる。
今後はガソリン価格が急落したため、ようやく需要の回復に兆しが感じられるが、基調はマイナスが見込まれている。14年度のガソリン見通しは1.9%減であるため、これに比べると、3ポイントの落ち込みとなる。
そのため15年度に需要が回復が見込まれるとしても、14年度の大幅なマイナスに比ベプラスとなるもので一過性のものとなる。基調としては年率では2%を見込んでいたが、これ以上のマイナスが続くことには変わりないようである。
軽油販売は0.2%の微増が見込まれている。軽油は、東日本大震災後は、復興もあって微増で推移して
いる。
灯油は、1.5%減を見込んでいる。14年度が5.6%の減で電気、ガスヘの転換が続く。15年は灯油価格が下落して減少幅が緩和するため小幅なマイナスとみている。
A重油は5.5%減を見込んでいる。燃料転換などの減少トレンドが継続する。
C重油は22.3%の大幅減となっている。うち、電力用は32.7%の大幅減となる。東日本大震災後は、原発の停止で石油火力にシフトして11年度には1500万キロリットルへ倍増、12年度には1900万キロリットルとなったが、その後は石炭、LNGの供給でカバーすることになり激減している。さらに15年度には原発の再稼動が見込まれるため、ますます減少することになり、大震災前の水準の74万キロリットルに戻る。
このように電力用の石油(原油の生だき、C重油)が大幅に減少しているが、石油がコスト高となりバックアップ電源となっているためである。電力業界に対して一定の数量の供給を確保すべきと要請しているが、原発が再稼働となると大幅な減販が続くことになる。