日刊ニュース

2015.01.09 のニュース

ガソリン急落で需要は回復見込み 安値感が出て節約から消費へ

 ガソリンは値下がりしているため需要が回復しそうである。石連週報によるガソリンの出荷(12月14~24日)は101万キロリットル(前週は102万キロリットル)で100万キロリットルを超えた。前々週が105万キロリットルとなっており、3週連続で100万キロリットルを超えたことになり需要の回復の兆しとの見方も出てきた。12月と今後1~3月の販売動向が注目される。
 だが、増加に転じたとしても、前年が大幅に落込んだ反動となるため、よく実態を見定めるべきである。ガソリン販売は、天候に大きく左右されるのと、価格も値下がりすることになれば、需要の回復も期待される。足元の原油価格は下落しており、WTIは6日には47.93ドル/バーレルとなり50ドル/バーレル割れとなった。年明け再下落となり、ガソリン市況も一段と値下が予想されてきた。
 ユーザーからみれば買い易い価格となり需要が喚起させるため、値下がりが観迎されるが、元売の決算は、在庫評価損が発生するため赤字となる。だが、中長期的にみれば、原油価格が値下がり、ガソリンが増販となれば悪いことではない。
 ただ、08年7月には、WTIで145ドルまで急騰、その後は急落、9月のりーマンショックにより、世界の経済が混乱した経過もあり、年末には40ドルまで急落した。当時はガソリンが185円/リットルから100円まで下落、今回も同様の動きが予想される。
 一方、原油の急落は、中小産油国の財政破綻、ロシア、原油生産会社(メジャーなど)などへの影響が心配される。石油というエネルギーコストが下がることは経済発展にも繋がることになる。
 エネ研の14年度の年間のガソリン販売見通しでは3.6%の減と見込め、その反動で15年度は1.5%の増加とみている。14年度上期では5.5%減、10月も438万キロリットルで前年比で3%減、11月は434万キロリットルで5%の大幅な減少が続いている。夏場には台風の到来が相次ぎ、天候不順が続いた。春からの3連休は、殆どが雨となるなど増販を狙う時期は天候不順となった。加えてガソリン価格は、夏までは値上がり局面となり170円相場の高値となった。
 その結果、ユーザーが高値感から節約に走ることになり、満タン給油は減少、数量、価格を限定した給油が増加してきた。そのためか大幅な減販となった。新車の販売も小型車、省燃費車ヘシフトしており、即ガソリンの増販には結びつかないのが実態である。
 ユーザーも、一度、節約に取り込むと、その後は値下がりしても需要は簡単には戻ることはない。12月入りで、仕切価格は連続して値下がり、街道沿いでは130円相場となり、安値は130円割れも散見してきたため、ようやく需要は回復しそうである。12月は需要期であり通常月に比べると増販が見込まれる時期となる。天候も回復して好天気が続くことになった。前年12月は493万キロリットルであったため、横ばいか微増が見込まれている。需要が回復したのはガソリン価格が130円相場へ値下がりしたのと、好天気による車の利用が増加したことによる。
 また、年末、年始の休日が9日間と多く関東、関西の高速道路が混雑していたが、北海道、東北、北陸は積雪で車の利用は減少しているため、全国的にみれば一律ではない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目22-3
TEL:03-3814-4728
FAX:03-3814-4745
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE