2015.01.20 のニュース
支援予算活用で社会貢献を
政府は14日に2015年度予算案を閣議決定し、石油流通関係予算は86億円が計上された。9日に一足早く閣議決定した14年度補正予算案でも105億円の予算が確保され、実質総額191億円の大型予算が措置されることとなった。
14年度補正では、石油製品の供給安定化支援として総額75億円が確保され、このうち70億円でSSの経営安定化に資する高効率計量機や省エネ型洗車機などの導入を支援するほか、5億円で災害を見据えたSSの強靭化に向け、緊急時に在庫情報などを把握するシステムの構築や災害発生時のSSの対応能力・技術を磨く訓練・研修会の実施を支援していく。一方で、過疎地や豪雪地などでの灯油の安定供給確保で30億円を確保し、灯油ローリーの大型化や共同所有などによるローリー導入を支援していく。
15年度予算でも、「地域エネルギー供給拠点整備事業」として34億円が確保され、SS撤退時における地下タンク撤去や災害対応能力強化に向けた地下タンクの入換・大型化などを促していくほか、漏洩防止対策としてFRP内面ライニング施工などへの補助や地下タンク・配管からの油漏れの早期発見に向けて、土壌汚染の有無を検査する土壌汚染検知検査補助なども続けられる。
一方で、SSの次世代化を後押ししていくため、次世代自動車の普及拡大を見据えた人材育成支援のほか、SS過疎地などの地域の実情や環境変化を踏まえ、石油製品の効率的・安定的な供給に向けた燃料供給システムやコスト削減方策、安全性に係る技術開発といった実証事業を支援する「石油製品流通網再構築実証事業」を新たに立ち上げる。
これらの支援予算はいずれも、東日本大震災という未曾有の大災害を経て、石油がエネルギー供給の“最後の砦”ということが再認識され、その石油供給の地域の要であるSSを「これ以上むやみに減らしてはならない」という社会的な危機感の表れであろう。そして全石連・油政連では、社会的なSSの重要性を国に絶えず訴え続け、SSの重要性を強く認識している石油流通問題議員連盟(野田毅会長)の議員団の応援もあって実現したものである。
SSへの大きな期待の裏には、地域の安定供給に対する責任も重く圧し掛かるが、我々はこれらの支援予算を積極的に活用し、社会の期待に応えていきたい。