2015.01.22 のニュース
灯油商戦は急落で波乱 大手業者 高値在庫を持ち苦戦~中小は下げ局面でマージン確保~
原油急落で灯油もガソリン同様に値下がりしているが、季節商品であるため、これから2月末のシーズン終了までの対応が難しくなっている。原油価格は足元が50ドル/バーレルを割って47~8ドルで推移しており、今後の見通しは①今が低値で値上がりするのか、②更に値下がりするのか、その読みは難しいところである。大手灯油業者も夏場から連続して値下がりしており、本来の夏場が安く、冬場に値上がりするという見通しは完全に外れたことになる。底値とみた12月も年末、年始には一段と値下がりするなど、これも予想が外れた。これだけ連続して値下がりすると常に高値在庫を持つことになり、売り遅れると逆ザヤとなるケースも出てくる。そのため低在庫で対応して売り切る商法で臨んでいる。大口ユーザー向けは月掛けとなっているが、決済段階での調整は難しくなっている。小口業者は値下げ局面であったが、ユーザーへの値下げを我慢したことでマージンを確保しているケースもある。
灯油の先物は48~49円/リットル、業転は51~52円、仕切価格は60円で推移している。末端市況は石油情報センター調査ではSS店頭が90円で推移しており、20週連続して値下げとなっている。
今冬はシーズン入りから連続して値差がりとなっている。本来ならば冬場に値下がりするか、夏場が高止まりしていたため、灯油商戦は高値による減販が心配された。
しかし、原油急落によって毎週、仕切価格が値下がりする展開となり、減販の心配は薄くなったが、仕切価格は連続値下げとなり、12月で値下がりするのは異例である。そのため掛売などの価格交渉は難しくなってきた。
月末で決済するが、毎週値下げとなるため、買い控えが出るケースもあったが、最終的には月末の安値で押し切られるのを避けるため価格交渉が難航する。納入する日によって価格が違うため、月平均して請求決済する場合は、その都度、価格が違うことになる。当初から月平均で契約していても、これだけ価格が変動すると、後決めで対応するしか方策がないことになる。
大手業者は連続値下げが業転も急落したため高値在庫を持って苦戦した。中小業者は、市況を維持しながらユーザーとの価格交渉で有利に対応してマージンを確保している。