2015.01.22 のニュース
ガソリン下落で需要減は縮小 値下がり局面でマージン確保も
ガソリン市況は続落しているが、今後も下落しそうである。石油情報センターの調査価格は昨年7月14日の170円/リットルから25週連続して値下がりとなり1月13日の143円へと27円の値下がりとなった。仕切価格が値下がりとなっているため、調査価格は、次回も、さらに下落するものとみられる。
街道沿いは130円の維持が困難となっており、安値は127~8円、カード割引きとなると、さらに2~3円安となっているため、実際の販売価格は125円となる。これらの割引き価格と比べると地域価格差が拡大したことになるが、全体に値下がりしているためユーザーも価格に対しては敏感に反応する動きは薄れている。
値下がりによるプラス材料は、需要減が縮小したこと、都市部ではマージン確保できた、SSに資金繰りが改善したことになるなどの点があげられる。だが、値引き競争が激化することとなり、これ以上、値下がりするとマージン減が心配となる。
ガソリンの先物の値動きをみると、7月が85~6円(ガソリン税抜き)であったものが、足元は50円を割って47円へ値下がりしている。業転市況は50円程度となっており、大幅な値下がりとなる。
原油価格は110ドル/バーレルから47~8ドルへと急落しており、原油CIF価格は7月が7万1340円/キロリットルであったが、9月では7万円を維持、11月が6万350円、12月中旬は5万9000円と緩やかな値下がりをしている。輸入価格である足元より1ヵ月程度遅れることになるが、今後も原油安を反映して値下がりする。
足元では、原油価格は底値が近づいたとの見方もあるが、まだ流動的である。OPEC産油国が減産を見送り、今後も生産を維持するのか、シェールオイルも減産せずに生産を続けるかの我慢比べの状況が続いている。この戦いも限界に近づき、この図式も、いつかは崩れるものとみられる。
一方、ガソリンの値下がりで需要増が期待されているが、これも簡単ではないようである。原油安となり、ガソリン価格も120円台となったことから需要の回復が期待されているが、170円という高値を経験し、ユーザーの節約が浸透しているため、値下がりしたからといって車の利用が急に増加することはない。今後も省燃費車の普及、少子化で基調な減販が続き、需要回復が戻ることは難しいようである。
昨年4月以降は、消費税の増税、原油高どまりでの値上がりで大幅な減販が続いていたが、ようやく昨年12月販売は前年並みに回復したようである。1月は年末商戦の反動で販売は伸び悩みとなりそうである。
販売業者サイドは市況が続落しているが、値下げの時期を遅らせることでマージンを確保できるチャンスとなっており、都市部の堅調地区では、12月は増販、増益となったSSもある。
さらに、仕切価格が値下がりしたことから運転資金は軽減されたため、年末の資金繰りは軽減ということになり、SS経営ではプラス材料となった。
ただ、今後のSS経営は、販売も伸び悩み、価格競争から市況下落に拍車がかかると、マージンを吐き出すことが心配となるなど、厳しい状況が続くこととなる。仕切価格が値下がり局面では、先取りして値下げ増販を狙う動きが出るため薄利多売となる。