日刊ニュース

2015.01.26 のニュース

地場SSあっての災害時対応

大都市部で最大震度7を記録した阪神淡路大震災から20年が経過した。被害は甚大で、ライフライン障害としては停電約260万戸、ガス供給停止84.5万戸、断水127万戸にものぼった。神戸市の推計人口は昨年1月時点で震災前を1%上回っているが、震災未経験の市民が4割超に達したとも見られている。
当時、地域の石油販売業者は自らが被災者でもある中、営業可能だったSSは懸命に給油作業を続けて市民生活や復興作業をサポート、建物の堅牢性と広い敷地が延焼を防ぎ、特有の社会的機能が再認識された。その16年後に発生した東日本大震災でも、石油製品の確保に向けた実に様々な動きが広がり、教訓から得た課題の改善に精力的に取り組んでいるところだ。
内閣府が昨年実施した防災世論調査によると、大地震が起きた場合の心配事として「ガソリン・灯油などの燃料不足」を挙げた回答が33%で、地域別では東高西低の傾向がうかがえた。大地震への備えとしては「マイカーの燃料が半分以下になれば満タンにするようにしている」が16%にとどまり、東北32%、北陸22%、関東17%に対し、東海12%、近畿15%、中国8%、四国15%、九州11%、年齢別では20代8%、30代14%、40・50・60代各19%、70代以上12%と世代間格差も目につく。関係省庁が推進するエコドライブでは当初「燃料をむやみに満タンにしない」、現在は「遠出をしない場合ならガソリンを満タンにしないことも効果あり」と勧めるが、全世界面積の1%にも満たない日本の周辺でM5以上地震の1割が起き、大地震の切迫性も懸念される中で、重視すべきはエコか、安心かを改めて問いたい。
また、世論調査では災害発生時の被害軽減のための対応について、公助・共助・自助の優先度を聞いているが、燃料切れを心配している国民、満タンを心がけている国民のいずれも、「自助」の2割弱に対し、「3つのバランス」が6割を占めた。他のライフラインとは異なり、石油製品は過当な競争環境下に置かれている中で、災害時の安定供給が強く求められている。公助・共助への期待を叶える一層の多面的なサポートは、世論にも合致する。
見栄えに勝る大手資本の量販型SSだけでは、社会的使命である網羅的供給は成し得ない。経験上、地域コミュニティに頼りにされてきた中小SSの存在が絶対に必要だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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