2015.01.27 のニュース
地方公共団体の理解促進を
「ガソリンスタンドは『公共インフラ』であり、地方公共団体との連携強化を通じ、災害時だけではなく、平時から、官公需において、災害協定を締結した中小石油販売業者の受注機会の確保・増大を図ります」。昨年12月に行われた衆議院議員選挙向けに自民党が掲げた選挙公約の個別政策集「政策BANK」に明記された記述である。
東日本大震災以降、全石連と全国の石油組合は石油製品の官公需について、地元SSからの優先調達を訴え続けてきた。しかし実際には、地方公共団体の官公需はむしろ競争入札に切り替えられ、域外から量販業者などの大手業者が出張ってきて、地場SSでは太刀打ちできないような安値で落札するケースが増えている。地方公共団体の平常時の燃料調達が、まともにマージンも確保できないほどの安値で競り落とされている一方で、その公共団体からは石油組合に対して災害時の燃料供給協定を締結してほしいという要請がきている。
平常時は安ければどこでもいいという調達方針なのに、いざ、災害発生となれば、協定を楯に地元事業者に優先供給を求めるというのは、あまりにも都合がよすぎるのではないか・・・。このような疑問から、一部の石油組合や組合支部では災害協定の締結を見合わせる事例もあるようだ。
自民党公約の記述では「ガソリンスタンドは公共インフラ」であることを明記し、「平時から、官公需において、災害協定を締結した中小石油販売業者の受注機会の確保・増大を図ります」との方針を示した。国民生活に欠かせないガソリンや灯油の供給を担うSSを維持するためにも、官公需の地元SSからの優先調達を促しているのである。
そして、その際に最も大事なのが、この方針を地方公共団体が理解し、受け入れることである。そうでなければこのような公約は「絵に描いた餅」にしかならない。だからこそ、「地方公共団体との連携強化を通じ」という一文が入った。
経済産業省も官公需の地域中小企業からの積極的な調達を呼びかけているが、宮沢洋一経済産業大臣自身が石油製品の調達については特にこの方針を地方公共団体に働きかけていく考えであることを明らかにした。国や与党がともに地方公共団体を後押ししてくれる。石油組合も積極的に地元自治体に訴えていかなければならない。