日刊ニュース

2015.02.05 のニュース

原油50ドル相場に上昇 ようやく底値から脱却の動き~東商取の先物も2円強の値上がり~

 原油価格は値上がりに転じてきた。WTIは2日の49.59ドル/バーレル、3日には50ドル台へ2営業日で約5ドルの上昇となった。ブレントは54ドルと50ドル台に乗せており、ドバイも52ドル相場に近づいている。シェールオイルが減産となり、先行き需給が締まるとの見通しも出てきた。原油上昇を受けて東商取の先物もガソリン、灯油は52円/リットル、原油は39円と2円強の値上がりとなってきた。仕切価格も値上がりが見込まれてきた。先週はガソリンが1円の値上がりとなり、末端市況も下げ止めの方向となっているが、依然として安値攻勢が展開されているが、原油が50ドル相場となってきたことから、値上げが本格化するものとみられる。原油相場の見通しは難しいが、底値を打った感じとなってきた。
 原油価格は1月に入って40ドル台で推移していたが、ここにきて反発、50ドル相場となってきた。今後の見通しは難しいが、ようやく底打ちとなってきた。
昨年11月27日のOPEC総会で減産を見送ったことから一段と値下がり、50ドルを割り44~5ドルへと急落したが反発してきた。そのためガソリンの仕切価格は1月も大幅な値下がりとなった。加重平均でJXは10円40銭、昭和シェルは8円80銭、出光は10円の各大幅な値下げとなった。
 末端市況は石油情報センター調査(19日)では平均で136円となり、前週に比べ3円の値下がり、27週連続の値下がりとなっている。昨年7月が170円であったため、通算では34円の値下がりとなっている。安値は120円を割っており街道沿いでは120円相場となっている。
 このような急落は08年夏から年末までの185円から100円へと経験しているが、今回も先取り値下げが心配されている。当時は原油価格が7月の145ドル、年末には40ドルまで下落した。
 しかし、ここにきて原油価格が反発してきたため、市況立て直しの動きが出るものとみられている。もう少し様子を見守ることになるが、40ドル相場は下げ過ぎであり、一気に値上がりすることはないにしても、今年の後半には緩やかではあるが、値上がりの動きが出るというのが大勢の見方となっている。
 原油の低価格は、産油国の財政破綻が心配されるのと原油生産者であるメジャー、掘削会社の業績が悪化して、生産活動が停止に追い込まれると需給はタイトにより値上がりに転じるが、再度、生産を開始することになると、巨額な資金と時間もかかる。そのため消費国と産油国の双方が受け入れやすい水準(60~80ドル)で安定化することが望ましいとされているが、その時期がいつ到来するか見通し難であるが、このあたりで値上げに動くとの見方が出てきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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