2015.03.05 のニュース
「石油の力。」でシンポジウム 家庭のエネルギーミックスを議論
石油連盟は2日、経団連会館で第3回シンポジウム「石油の力。」(家庭におけるエネルギーベストミックス・石油の暮らしの守り神)を開催した。このシンポジウムは、東日本大震災を機に毎年3月に開催されており、今年で3回目を迎えたものである。
開催に際して木村石油連盟会長は「東日本大震災では、ガス、電気が止まり、石油も一時供給が停止されたが、石油は十分に在庫があり、分散型であったため災害に強いことが実証された。しかし、供給不足によってSSに長蛇の列ができたのも事実であり、このことは国内に在庫が確保されているとの情報発信が国民の皆さんに正しく伝わらなかったことがあげられる。このことから情報発信の重要性が認識された。今回は、災害時の経験と教訓を踏まえ、その後の石油業界の取り組みと石油がますます災害に強いことを紹介するために開催した。今年は災害時に備え普段から家庭におけるエネルギーのベストミックスを考えることをテーマにした」と挨拶した。
ついで住田・資源エネルギー庁資源・燃料部長が来賓として「昨年の総合エネ調・天然ガス・石油小委では石油の重要性は、災害時の最後の砦と認識され位置付けられた。そのための基本的な取り組みとしては①石油をいかに安定に供給を確保するかにあり、調達の多様化が重要となる。③国内の供給体制の強化であり、サプライチェーンも強靭化に取り組み製油所からSSの末端までソフト面まで強化する、③需要が減少するなかで石油産業が持続して経営できるよう、体質を強化するため支援策を実施する。そのためには事業再編など、今年は石油業界としては転換点となると思う」と述べた。
さらに「政府はエネルギーミックスを議論しているが、どうしても電源構成が議論となるが、エネルギー全般で幅広く考えるべきである。今回テーマとなっている家庭のエネルギーのベストミックスは的を射たものである」加えた。
引き続き神津カンナ氏から「石油のサプライチェーンを旅して」の講演があり、石油業界が海外で取り組んでいるベトナムの製油所建設、石油開発のムバラス島を訪問した経験談などを説明した。
パネルディスカッションが行なわれ、山根香織・主婦連会長、大石美奈子・日本消費者生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事、澤昭裕・国際環境経済研究所所長、亀岡剛・石油連盟広報委員長(昭和シェル石油執行役員石油事業COO)が出席して意見交換」が行なわれた。消費者の立場から石油学集会などの報告があった。
亀岡剛・石油連盟広報委員長(昭和シェル石油執行役員石油事業COO)は、石油業界の取り組みについて「早くから自由化にさらされて競争に耐えている。石油をコアに石油開発、石油化学、電気など展開して経営基盤の強化に努めている。日本は環境、安全、供給には厳しく、そのため投資は1000億円を投じており、この投資を担保できる経営基盤の強化に努めて安定供給に寄与している」と説明して理解を求めた。