2015.04.01 のニュース
仕切価格は値下がりも 原油は再度値上がりも~ガソリン市況対策は難航~
ガソリンの仕切価格は、通算で3円/リットルの連続値下げとなったが、ここにきて原油価格が値上がりに転じており、市況対策が難しい状況となってきた。原油価格は2月で反発したが、3月入り値下げとなったが、再度、値上がり局面となってきた。26日のWTIが51ドル/バーレル、ドバイが56ドルと前日で3ドル値上がりしたが27日に再び値上がりするなど流動的である。そのため今後の値動きにもよるが今週は仕切価格は値上がり予想となってきた。原油コスト変動方式を導入しているため、原油価格の動向が直接仕切価格の改定に繋がるため販売業者も戸惑いをみせている。短期間での下げ、上げとなるため、市況維持で様子をみる構えにある。仕切価格も業転との価格差が拡大したため調整が行なわれており、どの水準になるのか不透明となっているためマージンの確保ができているのか、否かが分らなくなっている。3月に入り、末端市況は値下がり気味であるが、4月に向けては、ここは我慢して市況維持に努めるべきである。
原油価格は、アメリカの原油在庫の増加で値下がりしたが、ここにきてイエメンの軍事衝突で値上がりしてきた。地政学的リスクが台頭してきたことになったが、上げ過ぎでの利益確定売りと、イエメンでは原油生産量が少なく、地政学的リスクが少ないとの見方から値下がりしたようである。
このように原油価格も定まらない状況が続いており、見通し難となっているが、4月に新年度入りとなったため新しい体制で臨むことになる。ガソリンは需要期に入り増販が期待されるが、他方、灯油、A重油などは不需要期入りとなるため減販となる。燃料油トータルでは、不需要期となるため製迪所の定期修理に入るが、減販から稼働率も低下してくる。
それだけにガソリン販売に期待がかかるが、4月の新年度入りも減販基調となる。平成27年度のガソリン需要見通しは、前年度の26年度が消費税の増税のため大幅の減販となったため増加との見方もある。4月だけをみると前年が8%の減販であったため増販となる。これは統計上の数値であるためで基調はマイナスとなる。ガソリン販売価格は130円台と昨年の夏場に比べると安値となるため、需要は回復するものとみられるが、ここは増販を追求せず市況維持で臨むべきである。
今後の原油価格の大幅な値上がりは見込まれないが、小幅な変動が続くことになる。そのため今回の値上がりは一過性のものか、もう少し様子をみることになるが、原油価格は50~60ドル/バーレルの範囲で推移するのか、1月の49ドルまで再度戻るのかは見通しは難しいところである。これから不需要期に入るため原油価格は、大幅に値上がりすることはないが、地政学リスクが台頭すれば値上がりも見込まれる。