日刊ニュース

2011.01.24 のニュース

地元活用あってこその官公需

景気や税収の低迷などにより、国や地方自治体からの工事発注や物品・サービスの購入規模が縮小している。随意契約から競争入札へのシフトが進み、効率化の一環として契約件数そのものを集約する動きも強まっている。納税者からすれば納得のいく措置かもしれないが、地域の視点からは安易に歓迎すべきことではない。大企業による官公需の囲い込みを促進させ、中小の企業としての息の根を止められかねない事態となる。国は中小企業の受注について毎年度、その確保のための指針を公表し、地方自治体などにも配慮するよう要請しているが、地元の中小企業の存続すら考慮していないのではないかと思えるような実態がある。
 北海道庁が今年度から道立学校などの燃料油の入札方法を地域ごとに一括する方法に改めたことから、随意契約件数が自動車用燃料で6割減、暖房油でも半減、地元石油販売業者の受注機会が極端に減ってしまった。北石連などが地元中小企業の受注確保を掲げ、契約単位の分離分割という従来方式の復活などを求めて活動を展開したことで、来年度以隆は「地域の実情を考慮する」方向への修正が見えてきたようだが、同じような問題は全国で発生している。
 そもそも官公需には地城振興の一策としての機能がある。進行する地域衰退を食い止めなければならない自治体が、なぜ地場中小企業の商権に無頓着でいられるのか。地場からの商品などの調達は地域を守るだけではない。パトカーや消防車などの緊急車両などへの給油のネットワークの提供がいい例だが、地場だから得られる機能も多く、利便性を考慮した合理的な判断というものがあってしかるべきではないか。我が国の中小企業は企業数で99.7%、雇用者数は69%を占める。中小企業こそ我が国の経済、地域の根幹だ。
 石油販売業界の官公需と言えば、協同組合を母体にした官公需適格組合による受注がある。全国で約800の適格組合があるが中でも群を抜く実績を誇る。事務処理の迅速化などで大きな成果を上げ、発注側の“使い勝手”の良さをさらに高めた石油組合もあり、共同事業と並ぶ主要事業として位置付けられる。地域の防犯活動や災害発生時の自治体との協力体制、SS過疎地対策などは「地域ととともに」を掲げた業界の姿勢だが自治体などには官公需を介した地場企業への姿勢を示してほしい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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