日刊ニュース

2011.01.25 のニュース

災害対応力を強みにしたい

 予想を超えた大雪に見舞われ、重大な交通障害が発生する場面が年末年始から目立っている。福島・会津では約300台、鳥取西部では約600台が立ち往生した様子も報じられた。いずれも自衛隊の出動をあおぎ食料やガソリンが配られたという。同時並行的に停電や断水した地域も見られた。当該エリアにあったSSが大いに頼られたであろうことは想像に難くない。
 普段はなにも意識もせず当たり前に利用しているライフラインが、突然に寸断される。社会資本整備が進むほど災害対応力は強まるが、反面、一度限界を超えると脆さが露呈する。車内で復旧を待ち続けた方々の不安は押して知るべしだが、もしも燃料切れ間近で灯油配達を待っていた世帯があったとしたら、それも一大事だ。石油ファンヒーターも含まれるが、電気エネルギーが必要な暖房器具しか持っていなかった場合も、停電に対しては打つ手がない。
 雪害、水害、風害などに比べると発生確率は格段に低くなるが、大地震への警戒と減災対策は絶対に怠れない。先週、阪神淡路大震災をきっかけに広がった防災訓練が各地で行われたが、千代田区の帰宅困難者避難訓練には東京石商の組合員SSが協力した。SSが持つ堅牢性、情報拠点機能、ルート上の目印になりやすい視認性の良さに対する認知度は、着実に上がっている。ただ残念なことに、都市部SSの疲弊が止まらない。SS過疎は、都市の問題にもなり始めている。
 現エネルギー基本計画では、20年後を見据えたエネルギーのベストミックスを掲げ、明年対比で2030年における一次エネルギー供給比率として石油を39%から27%に減らす一方、原子力を10%から24%に、再生可能エネルギー等を6%から13%にそれぞれ引き上げる方向性を打ち出した。だが、原子力・再生可能工ネの不安定性を補う際に頼られるのも、たぶん石油だろう。
 阪神淡路大震災をレポートした本紙報道には、緊急車両や一般消費者への給油作業を日夜懸命に続けるSSの姿があった。ハード面だけでなく、ソフト面の人的対応力が高く評価された点も特筆できる。当時の全国SS総数は約6万ヵ所だったが、いまでは2万ヵ所超が消失した。SS配置図に隙間が広がり、顧客との物理的な距離は伸びたが、“心”の距離感を縮めることで社会の期待に応え、SSを守り抜きたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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