日刊ニュース

2011.02.03 のニュース

ライフラインとSS過疎化

年末以降、強い寒気が日本付近に南下した影響で、日本海側の各地が大雪に見舞われている。この3ヵ月間に、全国の15地点で積雪の深さの観測史上1位を記録した。これらの各地では大雪による停電も多数発生したという。いまではほとんどが復旧しているが、停電した戸数は全国でおよそ34万戸に達した。
 その停電で気になるのは家庭用の暖房である。依然、寒冷地では灯油ストーブが主役といわれるが、灯油ファンヒーターの場合は電源がなければ使えない。エアコンやオール電化など電気暖房に頼っている家では寒い一夜を過ごすことになる。事故など起きなかったことが唯一の幸いである。
 大雪に見舞われた地区では、改めて灯油がライフラインとして欠かせないエネルギーであることが認識されたことだろう。最近は、電源のいらない灯油ストーブの信頼性を、お客さんに訴えるSS事業者も増えている。今回は、災害時だけでなく大雪による停電でも威力を発揮したことだろう。
 この大雪によって国道や高速道路で車の立ち往生が多数発生している。年末に福島県会津地方の国道で多数の大型車両が走行不能になったほか、年末から正月にかけては鳥取県内の国道で長時間の立ち往生が発生した。1月末には今度は福井県の国道で多数の車が大雪に埋もれ、昨日までにようやく除雪作業が終わって、無事通行できるようになった。
 大雪の中、多くの車が立ち往生Lている場面をニュースで見ると、どうしても近くにSSがあるのかどうか気にかかる。国道とはいっても、こうした山間地に長時間にわたり閉じ込められたら、車の中で暖を取るための燃料調達が最も大きな課題だ。自衛隊の救援で燃料補給が行われたところもあるようだが、SSの存在は雪に埋もれたドライバーの安全にも関わっていることを実感する。
 大雪に見舞われた各地区のSS事業者は、ライフラインとしての役割を果たすべく必死に営業を続けている。しかし、本当に必要とされるこうした地区のSSが、次々に閉鎖に追い込まれているのが現実だ。
 記録的大雪に見舞われた東北や日本海側の各地区の苦労を見て、そこに住む人たちやドライバーにとって、SSが果たすライフラインとしての役割の大きさと、SS過疎化は表裏一体の課題であることを浮き彫りにした。

提供元:全国石油商業組合連合会
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