日刊ニュース

2010.07.07 のニュース

末端市況維持は難航 原油下落で先物は値下がり

ガソリンの末端市況は、徐々にではあるが値下がりを見せている。原油価格が値下がり、為替も円高に転じているためで東工取の先物も51円に下落、業転市況も値下がりしてきた。首都圏の街道沿いSSは130円/Lを割って128円、都市部では130円を維持しているが、130円割れも増加してきた。石油情報センターの週動向調査(6月28日時点)は136円50銭で前週比40銭の下げで、平均では四捨五入で137円の横ばいとなったが、137円台の維持は難しくなってきた。原油価格もWTIで72ドルへと連続して値下がりしている。
 アメリカの株価の値下がりに連動しているもので各経済指標の悪化、景気回復の遅れが指摘されてきた。今後の原油価格の見通しは難しいが、原油価格が下落しても、国内市況が値下がりせずに維持できればマージンは確保できる。
 ガソリン市況は値下がりしており、今のところマージンを確保しているものの、これ以上値下がりするとマージンをはき出すことになる。販売業者は、我慢して市況維持に努めているが、HC、量販店の安値攻勢に苦慮している。
 とくに元売が新々体系の導入でブランド料の引き上けを実施しているため、仕切価格が実質値上げとなっており、末端市況がさらに値下がりするとマージン減となる。
 元売は適正マージンを確保するため、ブランド料という名目で2円程度を引き上げており、赤字からの脱出を狙っているため、このブランド料は完全に回収することにしている。
 そのため販売業者は、仕切価格が実質値上げになっていることを計算して対応しないと赤字となる。仕切価格をよく見て販売しないとコスト割れとなり、簡単に周辺の安値市況に追随すると赤字となるため、慎重な販売姿勢が問われることになる。
 新々体系については、各社間で値決め方式にバラツキがあり、販売業界内でも混乱が生じており、よく見定めることが必要である。仕切価格の指標価格(業転市況)の参照期間にも違いがあり、価格改定幅に格差が出るため、販売業者間でも対応に苦慮している。
 また、HCなどは業転市況にリンクした価格で玉を手当てしているため、安値の販売価格となっている。
 今回の新々体系では業転市況と系列仕切価格との間に大幅な価格差が生じており不満も出ている。

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