日刊ニュース

2011.02.09 のニュース

需給はタイトで推移 今後は灯油の下落防止 ガソリン値上けがカギ

 石油の製品需給はタイトな状況が続いているため業転市況を押し上げる効果を発揮しており、石油各社はマージンを確保している。また、原油価格が足元の85ドル/バーレルで推移すれば在庫評価益が発生する。この状況が3月末まで続けば、3月期決算は増益となるため上方修正を行なっている。原油価格は、現在90ドル程度で推移しているが、エジプト情勢など他の周辺諸国にどのように影響するのか見通しは難しく、乱高下も十分予想される。国内市況は、灯油が堅調に推移しているが、シーズンが終わりに近づく3月頃になると市況の下落が予想される。うまく下落を防止できるのか、灯油の下落をガソリンの値上げでカバーできるのか、これからが切り替えの時期となる。冬場は「灯油高のガソリン安」の価格体系にあるが、これからは「ガソリン高の灯油安」ヘと変わることになり、スムーズに移行できるのか、石油業界にとっても正念場となる。
 原油価格に比べ石油製品の業転市況は、堅調に推移しており、マージンを確保している。そのため石油各社の業績は前年比で増益となっている。その背景には、在庫が低水準にあり、需給がタイトで推移して業転市況が堅調で原油価格との間に格差が拡大している。
 最近の先物、業転市況は灯油がガソリンに比べて5~6円/Lの高値であり、灯油がマージン増となっている。灯油は需要期であるため増販、増益となっており、ガソリンも年末から1月にかけて値上がりしているためマージンを確保している。
 とくに灯油在庫は200万KLを割って190万KL程度の低水準であり、供給不足が心配され、緊急輸入で対応している。寒波の到来、日本海の豪雪で内航タンカーの運航に支障が生じたこともあり、需給が一段と締まった。
 最近は平常に戻りつつあるが、依然として需給はタイトな状況にある。この状況が3月末まで続くことが予想されるが、今後の天候次第で状況が大きく変化することもあり、予断を許さない。灯油市況は、シーズンが終了する3月頃には下落するのが例年のパターンであり、下落幅を抑えてうまく不需要期に移行できるかが、最大のポイントとなる。
 同時に灯油の下落分をガソリンの値上げでカバーすることになり、この移行がスムーズに行なわれるかが来年度以降の業績に影響する。主役が灯油からガソリンに代わることになるが、これからはガソリンの市況対策でマージンを確保することが重要となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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