日刊ニュース

2011.02.10 のニュース

灯油 今後は値下がり局面 ガソリン高でマージン確保 ―原油高で元売は仕切値上げを見込む―

原油価格が値上がり、ガソリン、灯油などの値上げも浸透して一段落したところだが、今後は灯油が値下がり局面となるため、代ってガソリン、中間留分などの値上げに取組むことになる。先物、業転は灯油が65円/L、ガソリンは60円と独歩安となっている。 現在は「ガソリン安の灯油高」という価格体系だが、灯油はシーズン終了が近づくと下落するため、ガソリン高に是正することになる。その方策は、今後の原油価格の動向によるが、原油・価格が下落する局面になれば、仕切価格の下げ幅を抑えることになる。原油価格が値上がり局面になると、コスト増加分 よりも値上げ幅を大きくすることになる。
 今冬も仕切価格はガソリンに比べて灯油の方が値上げ幅を大きくして対応したが、春以降は逆にガソリンを値上げすることになる。原油価格が大幅な値上げとなるとガソリン高へのシフトが難しくなる。
 先物市況でみると、原油の50円/Lに対して、ガソリンは60円、灯油が65円となっている。灯油は、ガソリンに比べると5~6円高となっているもので、冬場のシーズン中は灯油高となっている。
 今冬は、厳冬と在庫水準が低く、200万KL割れの190万KL程度となり、石連週報開始以来の最低水準となっている。そのため、業転、先物も65~6円という高値で推移している。
 一方、ガソリンも値上がりしているが、60円程度であり、原油の50円に比べると10円の価格差(マージン)が生じているため、灯油に比べると少ない。そのため、灯油のマージンが確保されても販売業者からみると利益は少ない。
 ガソリンは、3月頃から春の行楽シーズンに入ると、販売量は500万KLが見込まれる。一方、灯油は3月に入ると200万KL台へと減少するため、ガソリンのマージンを確保することが、元売、販売業者にとって重要となる。
 今冬は寒波に救われたが、これからはガソリンの値取りを重視した販売対策に取り組むことが必要であり、経営の安定化に向けた努力が重要となってくる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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