日刊ニュース

2010.07.08 のニュース

石油各社7月の需給対策 減産と製品輸出で対応 ―JXの発足で様子見守る―    

7月入りとなり、製油所の定期修理明けとなったが、各社とも7~9月は前年同期比4~5%減産で対応するなど、需給調整に取組んでいる。需要減少が続くが、軽油、ジェット燃料の輸出増を狙って対応している。輸出は海外市況との絡みもあり、採算をみて対応している。現在は海外高となっており、輸出に活路を見つけている状況である。ガソリンも基材として輸出しているケースもあるが、一部では商社が輸入しており、差し引くとほぼ同数となる。石油統計によると、5月のガソリン輸入は18万KLで、輸出は13万KLとなっている。7月からJXエネルギーが発足したこともあり、元売、販売業者サイドも様子を見守る構えにあるため、市況に波乱はなく安定して推移している。
 7月に入ったが、製品需要は安定して推移している。しかし、各製油所の定期修理が修了するため、供給増になることが心配されている。
 そのため、各社とも早めに減産で対応する方針を打ち出している。とくにJX日鉱日石エネルギーが7月から発足したため、各社とも出方を見守っているが、JXは発足を機に大々的なキャンペーンを展開することもなく、当面は「JOMO」ブランドを「ENEOS」に変更することを重点にしているようである。
 元売間でけん制が続いており、ここで増販、増産に走ることなく、市況の混乱を避けるという意向が強く働き、今のところ慎重な対応をみせている。
 SSでは、カードのキャンペーンが展開され、新規の顧客を確保するため、割引販売も実施しているが、インセンティブでは賞品が当たるか、値引き合戦する動きはないようである。
 ガソリンの末端市況は値下がりしているが、安値はホームセンターなどが122円台、街道沿いは128円台となっているため、都市部は130円台を維持するのが難しい状況にある。しかし、今のところ市況が大きく混乱するのは避ける方向にある。

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