日刊ニュース

2011.02.17 のニュース

中東産は値上がり傾向 ―国内市況形成は難航―

 14日のWTIは84.81ドル/バーレルで前週末に比べると0.77ドルの値下がりとなり、85ドルを割り込んでいる。一方、ブレントは103ドル台であり、価格差は18ドルに拡大している。中東産は97ドル台であり、ブレントとの価格差は6ドルとなっている。国内市況の形成は中東産を指標としているが、WTIが下落しているため、難しい状況にある。WTIはエジプトの治安が安定してスエズ運河の閉鎖による原油供給不安が解消されたのとアメリカの原油在庫が高いことを反映して下落しているが、ブレントは逆に値上がりしているため価格差が拡大している。中東産もブレントに連動して値上がりしている。ブレントが高過ぎるのかWTIが安過ぎるのか、その評価は難しいが、このまま価格差が拡大して推移することになると、世界の原油指標を見直しすべきとの見方も出てくる。
 WTIの原油は下落しているが、ブレント、中東産は値上がりしているため、国内の製品市況の形成を難しくしている。東京工業品取引所の先物は、ガソリンが60円/L、灯油は66円となり、灯油高で推移している。
 業転市況も、ガソリンをの灯油高となっており、末端市況は、石油情報センターの週動向調査(7日現在)では、ガソリンが138円、灯油はSS店頭で85円となり、安定して推移している。灯油は、冷え込みで値上がりしているが、当面はこの水準で推移しそうである。
 原油価格(WTI)では100ドル/バーレル説も出ていたが、その前にブレントが100ドルを超えており、中東産も97ドル台となり、100ドルに迫っている。しかし、WTIが下落して84ドル台となっているため、今のところ原油高は問題となっていない。
 一般に、原油価格はWTIを指標としているため、WTIが下落すると原油の値上がりに対する関心が薄れるが、今後、中東物が100ドルを超えるのか、中東物を輸入している元売サイドとしては気になるところである。100ドル相場となれば、再び仕切価格の値上がりとなるが、現在はWTIが下落しているため、様子待ちとなっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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