日刊ニュース

2011.02.17 のニュース

セルフSS競争激化で撤退が増加 ―増加のテンポも大幅に遅れる―

 石油情報センター調査によると平成22年9月末のセルフSSは8371ヵ所で3月末の8296ヵ所に比べると半年間で75カ所の増加となった。この間の参入は150ヵ所あったが、撤退も半数の75ヵ所あり、相殺すると75カ所の増に留まっている。セルフ間の競争も激化して撤退も増加してきた。
 セルフは平成10年4月から解禁となったが、その後、2年間程度は様子見となった。スタート時は大型のフルサービスSSの改造で対応、ガソリン販売数量価格を2円安で販売したことからユーザーも利用することになり、一気に増加した。
 本格的なセルフ時代に入り、16年度末で約4000ヵ所、17年度で5000ヵ所、18年度末で6000ヵ所、19年度末で7000ヵ所と年間約1000ヵ所が増加した。21年度末で8300ヵ所となったが、ここにきて増加のテンポは鈍ってきた。
 ちなみに22年の4~6月でみると参入が65ヵ所、撤退が36ヵ所で相殺すると29ヵ所の増、7~9月は参入は85ヵ所、撤退が39ヵ所で相殺すると46ヵ所の増となり、半年で75ヵ所の増加となる。
 ピーク時は半年で500ヵ所、年間で1000ヵ所以上増加していたのに比べると雲泥の差である。セルフSSの新設は一巡したといえる。さらにセルフSSの撤退数も累計で612ヵ所あり、今後も撤退数は増加するものとみられ、新設のテンポも遅れる。
 SS数は全国で約4万ヵ所あり、フルサービスSSは減少して、これに代わりセルフSSは増加することになる。セルフSS数は1万ヵ所が目安と見られていたが、ここにきて時間がかかりそうである。
 セルフSSの増加が鈍ったのは、①ガソリン販売は減少しており、投資しても回収が難しくなった、②すでにセルフSSが飽和状態にあり、建設する場所が少なくなってきた、③セルフSSを新設しても、大型セルフ問の競争が激化、利益が見込めなくなってきた、④従来はフルサービスSSを淘汰してセルフSSを増やしてきたが、その余地がなくなってきた、などの点があげられる。新設となると大型となりコストも巨額となるため、建設するのは元売、商社系、量販店に限られている。セルフ間の競争で撤退が増加する状況にあり、投資も慎重になってきた。
 ガソリンの販売数量が増えず、マイナスとなってきたこともセルフSSが増加しない大きな要因となっている。ガソリン販売数量が昨年は増加したが、猛暑による一過性のものであり、今後も減少は続くものとみられている。
 省燃貨車の普及、人口の減少、若者の車離れ、節約ムードの浸透などから、プラス材料は見当たらない。さらに電気自動車(EV)が普及するとなると、ガソリンの減少に拍車がかかるが、これには相当の時間もかかる。エネ庁、全石連でも次世代SSのあり方の検討を開始している。EV時代が到来すればガソリンから電気に変わるため、現在のセルフSSでは採算面から対応できず、様変わりとなる。EVがどの程度のテンポで普及するのか予測は難しい。
 自動車メーカーも三菱などは力を入れており、環境対策から神奈川県など地方自治体も力を入れているが、SS業界としては脅威であることに変わりがない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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