日刊ニュース

2011.02.21 のニュース

原油高も… 製品値上げ遅れる 元売はマージン減少へ―ガソリン安が目立つ―

原油(中東産)は値上がりが続いているが、その割にはガソリンの業転市況の値上がりが遅れている。末端市況も、石油情報センターの週動向調査では138円/L(全国平均)で横ばいが続いている。中東産原油は98~99ドル/バーレルと100ドルに迫る高値となっている。しかし国内の業転・先物市況は灯油が66~67円/Lであるのに対してガソリンは60円程度で推移しているもの。そのため、元売のガソリンマージンが減少しつつある。4~12月の決算ではマージンが増加したことによって増益となっているが、この状況が続くと実質・利益は減少することになる。ただ、原油価格の高騰が続くと在庫評価益が発生するため、3月期の決算は増益となる公算が強い。
 原油価格は高騰しているが、ガソリン市況の値上がりが遅れている。原油価格は、昨年の11月から値上がりに転じており、中東産は11~12月は89ドル/バーレル台(平均)、今年の1月は96ドル台、足元は98ドル台へと値上がりしている。
 一方、WTIは、11月~1月が89ドル台で、ほぼ横ばいで推移していたが、足元は84~85ドル台へと下落しているもので、これまでとは違う値動きとなっている。
 ブレントは、2月に入ってから100ドルを突破して102~103ドルという高値となっていることもあり、これに中東産も連動したかたちとなっている。
 中東産はアジア向けで、中国、インドの需要増を背景に高値となっていることもあり、日本でもコスト高となってきた。日本国内の業転市況も値上がりで仕切価格も値上がりとなり、年末にはガソリンのユーザー転嫁に取り組み、2月には138円相場となってきた。
 しかし、末端市況は前週から一服状況となり、横ばいとなっているが、原油価格は値上がりを続けているため、さらにコスト増となっている。その割には業転市況が低迷している。
 結果的にはマージン減となっているため、市況の値上げがポイントとなってきている。ガソリンの在庫も低位であるが、値上がりが遅れている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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