日刊ニュース

2011.02.24 のニュース

クルマの経年劣化を見逃さない

「油外がだめだ、伸びない」といった声を聞く場面が増えているが、用品販売や点検整備で競合するSSのライバルはどうか。
 乗用車カーディーラーは新車販売部門以外による経営基盤の強化を加速しており、粗利益構成面ではサービス・部品部門への依存度を一層高めていることがわかった。一方、自動車用品小売業協会が会員から集計した2010年のカー用品売上高は前年比0.8%減の4538億円、うちタイヤ販売は9%増の972億円、オイルは3%減の234億円などとなっている。
 カーディーラーの経営実態は日本自動車販売協会連合会がまとめた10年版「国内自動車販売の現状と課題」によるが、メンテナンスパックをメニュー化している企業は95%に達し、新車販売時の契約率が初めて50%を越えた。パック内容に差異はあ
るものの、SSにとっては定期点検やオイル交換などに大きく響くことになる。ディーラーー社当たりの部門別売上高構成比が新車65%、中古車13%、サービス・部品21%だったのに対し、粗利益構成比は新車26%、中古車9%、サービス・部品39%。脱車販依存、いわば“車外収益”シフトが顕著に現れている。
 翻ってわが業界。石油協会の10年度版経営実態調査報告によると、1社当たりの油外粗利構成比は23%。前年比3%アップしたが、カーディーラー“車外収益”には届かない。両業界で大きく違うのは、自動車は商品しだいで売上が大きく左右されるのに対し、石油には製品差別性がないこと。つまりメーカーブランドとしての訴求力だろう。またカーディーラーは、サービスカや技術力を最大の売り物にしている。わが業界にとって、ますます手強い競争相手となる方向へと軸足を移している。
 だが、それでも決して万能ではない。前述のメンテナンスパックは、3年後の初回車検時契約率では20%まで下がる。定期点検や車検の入庫率も、時間経過とともに低下する。軽を含めた昨年の乗用車新車販売台数は465万台、一方、中古車は602万台。平均使用年数も長期化が進んでおり、経年劣化するクルマは増える。
 来店頻度で絶対の分があるSSは、限られた経営資源の中で、まず既存顧客を大事にしながら、安全・安心・快適なカーライフのサポート役を1人でも多くのお客様に任じていただけるインフラでありたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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