日刊ニュース

2011.02.28 のニュース

系列SSの感覚の精販ギャップ

「同じ土俵に登らせてほしい」という文句が訴え続けられている。同じ土俵の上にも激しい勝負があるが、小回りを利かせ、あの手この手を繰り出し、実績を積み上げていくことは不可能ではない。ところが、端から分が悪い立ち合いを強いられたら、他力で劣る中小業者は敵わない。適正マージンがほしくても、業転ペースの最安値で先行する異業種SS、若干のタイムラグと僅少な価格差で追随する元売子会社、系列大手量販店の市場影響力に、中小SSの生きる道が脅かされている。
 元売が需給ギャップの解消に本腰を入れ始めたことは歓迎されている。だが、系列SSが求めている時間軸とは合っていない。卸価格の競争力回復は、待ったなしだ。公正・透明を標榜して導入された新価格体系は、都度の更新・改定を経て、業転プラス4円程度のブランド料や販売関連コストなどといった名目があるなしに関わらず、各系列SSに実質的上乗せ価格を披せている。系列玉と業転玉との格差が、多数の自系列業者を苦しめている。元売は利益を得られる仕組みをつくり、小売には相変わらず量が最優先の販売方針で臨む姿勢を糾弾する声が、具体的な動きとなって盛り上がり始めた。
 昨年12月、全石連経営部会WGは「ブランド維持コスト等として系列SSが負担できるコストは1円が限界」とする提言をまとめ、元売を歴訪。また最近、長野石商がブランド料などの見直しを求める要望書を元売支店に送付、全石連関東支部も卸価格フォーミュラに対する意見・要望を来月理事長会までに集約する。東京石商はエネルギー供給業者の社会的責務として元売も認めている重要なサプライチェーンの一翼を担う系列SSが「根拠希薄な価格差によって苦境に立だされている」などとし、歪んだ卸価格体系の是正を緊急提言した。
 元売は今年度のエネ庁ヒアリングで「系列玉と非系列玉の卸価格差が拡大して小売市況が悪化することは問題」で、「精販ともに再投資可能な収益を上げられる市況環境を整備することが重要」との認識を示したという。精販の“精”については、直近の業績として成果が表れたが、“販”はどうか。各石商で高まる声には、自系列業者も含まれている。その思いを受け止め、共生する意気を見せてほしいと願う声は、届いているだろうか。

提供元:全国石油商業組合連合会
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