日刊ニュース

2011.03.02 のニュース

ボトム141円以上が目安 ―5~6円の値上げに―

 ガソリンの仕切価格は26日から値上げとなり、販売業者は3月からユーザー転嫁に取り組むことになる。原油価格は中東産が110ドル/バーレルと高騰しており、エクソンモービルは3円50銭/L、出光は3円40銭などの値上げを打ち出した。この値上げを受けて首都圏の販売業者は、ボトム141円以上を狙うことになる。街道沿いの安値は125円も散見するが、135円が中心値であり、これに5~6円を値上げすることになる。石油情報センターの調査価格(平均)では138円の横ばいが続いたが、実質は値下がりとなっているため、安値地区では大幅な値上げとなる。原油価格は値上がりが続いているが、国内市況は販売減と灯油増産の影響でガソリンが供給増となり、業転市況も低 迷していた。原油価格は、リビアの内戦が他にも波及するとの見通しから急騰しており、元売も値上げに踏み切ったもの。仕切価格は3円50銭程度の大幅値上げであるため、販売業者も危機感を強めている。
 原油価格の値上がりが続いているがガソリン市況は低迷している。販売が低調であったのと、灯油が増販で増産となったため、連産品のガソリンが供給増となり、ガソリンの業転市況は値上がりが遅れていた。
 しかし、灯油シーズンも終わりとなり、今後はガソリンの販売に力を入れることになり、ガソリンの値上げが焦点となる。灯油仕切価格は1円50銭~2円の値上げを打ち出しているが、販売数量も減少するため増益は期待できず、今後はガソリンが中心となる。
 仕切価格は灯油に比ベるとガソリンの方が5~6円安となっているため、これを機にガソリンを値上げして価格差を是正することになる。そのためガソリンの末端市況は140円台を狙うことになるが、大幅な値上げとなるため、販売業者間で足並みが揃うのか、今後の値動きが注目される。
 原油価格はWTIで98ドル/バーレルと中東産の110ドルに比べて大幅な価格差があるが、日本の輸入原油の大半は中東産であるため、コスト増となり、ユーザーに転嫁することになる。今後も原油価格の値上がりが見込まれるため、仕切価格は連続して値上げとなる公算も強い。
 今後の原油価格はアフリカ、中東情勢が不透明となっており、08年のように高騰が続くとの見通しもあるが、実際の需給よりも、投機資金の流入、地政学的リスクが大きく影響するため見通し困難となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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