日刊ニュース

2011.03.08 のニュース

著しい「系列」の「系劣」化

 08年10月からの指標連動の「新」週仕切り導入以降では間違いなく最大、恐らく21世紀入り後最大の大波がSSに押し寄せている。原油価格の高騰が主因とはいえ、ほぼ週5円ペースで上昇するガソリン卸に対し、これをSSはお客さまに浸透させることが自らの経営浮沈に直結する事態となった。しかもタイムラグを置かず即座に完全転嫁することが死活問題となる。
 系列SSが悲鳴を上げている。業転見合いで割高なコスト負担に耐えられない。特に中小の系列SSは、同一商圏内のPBに対して、絶望的な競争条件を突きつけられ、断末魔の様相だ。
 こうした実態を集約して、全石連経営部会は、元売各社にメッセージを発した。割高となった系列のコスト負担を元売―販売の双方が納得できるレベルヘと収れんすべきだと。
 元売収益が極度に落ち込んだ09年度。その主因は製造能力過多を筆頭に、供給過剰を出現させた元売自身の非に帰属するもので、「新」の機能不全ではなかった。10年度は新造された「新・新」によって、前年度には系列SSに帰属していた3~4円の収益が、元売側に、半ば強制移管されることとなった。
 需給面で結果的に「無節操」だった09年度で地獄を見た元売は、10年度は「きめ細かな」に配慮・転換し、精製ベースの収益力を高めるとともに、短兵急的だった「新・新」の絶大な効力が加わって、真水部分で、かつてない高収益の頂点に到達する方向だ。これに原油高の在庫評価が加われば、国内石油部門での史上=高益に届く元売も出てこよろ。原油資源の収益が加わる元売は、さらに収益がかさ上げされるだろう。
 わずか2ヵ月前の年始。90ドルでスタートした中東産原油指標は2月21日に100ドルを超え、先週末には110ドルに乗せた。円換算では11円ほどの上昇だが、原油見合いで5~6円とされる未転嫁圧力がガソリン卸には貯まっているから、最低もう一週間は「棒上げ」が発生するだろう。
 これに対してコスト負担を引き下げるなど、具体的に返信した元売はないが、4月の「新・新・新」への改定時には、系列への本格的な経営支援が不可欠だ。理事長会では、業転系に完全帰属するPB量販店の優位性が拡大していることなど、系列の、特に中小系列SSの劣化を訴える声が続出した。「新・新」のままでは「系劣」化が止まらない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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