日刊ニュース

2011.03.10 のニュース

系列下支えに全精力を注げ

ガソリン小売価格急上昇が続く。それでも150円に達した地域がある中で、片や値上がり後でも132円である。格差18円を原油換算するとバーレル35ドルに相当する。
 元売に尋ねたい。貴社の当月輸入原油コストが110ドルであるのに対して、同業他社のそれは75ドルである。この前提で、同一市場で戦えますか。コストを削りなさい、太陽光を売りなさい、TBAや整備で補いなさい。こうした営業方針で埋め切れる格差でしょうか。
 18円を超える小売価格差は、過疎地SSと大都市郊外の比較ではないのだ。この瞬間に、主要都市間で18円以上の小売格差が生じているのである。その背景は、超量販店と一般SSという格差に起因する部分は極々わずか。その大勢は、業転と系別間にある卸格差に起因する。
 全石連理事長会議で発せられた非常事態宣言は、この原油高・製品卸高で苦境に直面する系列SSに対して、元売の絶好調収益の大部分を下支えする系列SSに対して、単にフォーミュラに連動させて値上げ通知をするだけでは不十分だ、というメツセージである。元売は手元にある系列支援の全カードを、この際、全行使してほしい、というメツセージである。しかも全精力を傾けて。
 ガソリン65.3円に対して、灯油73.7円、軽油69.2円、A重油68.2円。一定のフォーミュラを適用した本紙推進の2月平均仕切りを、全税別価格として示した数字である。ガソリンは灯油に対して実に8.4円も割安となっている。
 現在のフォーミュラが適用された週仕切り方式が導入されて以降、この2月までに29ヵ月間を経過した。その間にガソリン安・灯油高は釣半分、14ヵ月で発生しているから、実は珍しいではないが、これほどまでに格差が拡大しだのは08年末から09年当初にかけての原油急落過程以来。この製品間の価格差を埋めようとするなら、独歩安にあったガソリンの上昇余地は、原油見合いの上を行くというシナリオになる。
 原油高に伴う仕切り値上げのメッセージを対外的に大きく発信すること、子会社SSの率先リーダーシップによって牽引すること、微細な需給コントロールを実施するこ、「敵に塩」とならない出荷仕向け先管理を徹底すること。これらを即座に実施するとともに、さらなる課題として、割高な系列仕切りの改正に踏み込んでほしい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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