2011.03.14 のニュース
御上昇のあいまいな根拠
今週末もSS小売価格の上昇圧力は続いた。原油は高値持続、為替がやや円安ということで、コストの上昇基調は続いているが、特にガソリンでは原油コスト上昇見合い以上の、割高な卸上昇が続く。ところが、卸市況をリードする一部元売のそれが、なんで先週末が5円前後で、今週末が2円前後の値上げ幅となったかを、完全に理解することは不可能だ。原油は1円強しか上昇しておらず、製品輸入価格は横ばいとなっているのだから。
我々はそれが、国内では独歩安だったガソリン市況が修正局面を迎えている、という理解はしている。暖房期が終盤に差し掛かり、灯油がリードする需給・卸市況から、ガソリンがリードする端境期であり、今後はガソリン高に向かう可能性があることも理解する。課題はお客様である。
連続大幅値上がりを受けて下さってはいるが、原油高騰という論調が世間で増え、ガソリン08年10月以来の高値となれば、どんなお客様でも、かなり神経質にSSガソリン価格を見るだろう。特に掛けのお客様は、2月と3月の単価を見比べて、その請求額の上昇に目を見張り、そしてSSに質するだろう。
元売が直売で行っている大口顧客交渉の席で、原油見合いのコスト以上に転嫁を要請する際は、どのように説明するのだろうか。軽油もA重油も高騰が続いているのだから、当然その根拠を示して、相手方の理解を得ようとしているのだろう。手の内にある理論武装の材料を、我々SS側にも開示してほしい。それが正真正銘の系列支援というものだろう。
原油見合い以上のガゾリン卸の値上がりに、決して難癖を付けている訳ではない。原油がこれだけ上がりました。ガソリンは卸指標が、こうした理由で原油見合いプラス○円上がりました。こうした説明ができる根拠を求めているのだ。それに加えて、卸上昇に対して過去債務が貯まったSSでは、自分のところで、お客さまに説明する理論武装を重ねるのだ。
一部外資のそれが、実は根拠希薄な数字であるのなら、それに倣ってしまうアナウンスを指標とする元売の現・仕切りフォーミュラ自体が、恐らく世間から冷たい視線を送られることになる。原油高は石油産業の非ではないが、コスト見合い以上のものに対しては、だれにも責任転嫁はできない。