2011.03.17 のニュース
ガソリン需給はタイト 先物、業転が値上がり ―元売も計画出荷で対応―
原油価格(WTI)は101ドル/バーレルと小幅な下落をみせているが、国内の先物、業転市況は需給がタイトになるとみて反発している。原油価格は今回の大地震により、日本の経済活動が低迷して、石油需要が減少するとみて小幅な値下がりをみせている。中東産も110ドルであったものが106ドルに下落している。しかし、国内は地震によって供給不足が心配されるのと元売も計画出荷で対応して仮需要増を抑える動きをみせている。結果的には、今まで供給増であったが、業転玉の出回りが少なくなり、需給はタイトが見込まれている。流通(SS)段階では、都内でもユーザーが買い急ぎからSSに殺到するケースも出ている。全体の供給は確保されているが、道路が混雑してローリー輸送の面からSSへの供給が難しくなっているもの。ガソリン不足といううわさが出ると買いだめが増加、玉不足で営業を停止するSSも出ている。
東京工業品取引所のガソリン先物は71円/Lで、業転市況が69円程度ヘと値上がりしている。仕切価格の連続値上がりで、末端市況は、石油情報センターの週動向調査(7日現在)では146円相場となっているが、今後さらに値上がりが見込まれている。
地震の影響で、元売の出荷は系列を優先しているため、需給がタイトとなってきた。緊急時となれば業転市況は急騰し、系列価格よりも高価となるケースも散見されるが、現在はそのような状況となってきた。
業転高となると、無印のSSなどは立場が逆転して不利となるが、供給不足か状況がどこまで続くのかが注目される。系列SSでも、給油数量を制限して販売しているケースも出てきた。
一方、原油価格は、大地震の影響を受けて、下落気味である。急騰が続いたが、相場を冷やす方向となってきた。
日本は、石油需要が減少してきて、世界で第3位の輸入国となり、400万バーレル/日を割っているが、地震による減少は、世界の石油需給に大きな影響を与えるとの見方となっている。
製油所の操業が停止しているのと、内航タンカーやローリー輸送で支障が生じているため、当面の需給はタイトで推移する。