2011.03.29 のニュース
転送など玉繰りに苦慮 ~需給タイトは続く~
関東地区の3製油所(JX根岸、極東・千葉、東燃・川崎)が操業を再開したことで、ガソリンの供給不足は解消に向かっている。だが、供給面では、残る3製油所(JX仙台、鹿島、コスモ千葉が操業を停止しているため、玉繰りは苦しく、需給は依然としてタイトで推移している。そのため、元売間ではジョイント、西日本からの転送、製品輸出の急遽停止、などの処置を講じている。製品輸出を停止するとキャンセル料を支払うことになるが、それでも国内供給を優先し、輸出分を増産、稼働率アップでカバーしている。製品輸入も韓国などから手当てしている状況である。
関東地区の3製油所(78万バーレル/日)が稼働したことから、マクロでは、石油製品の供給は確保された。今後は東北、関東地区全体に供給が行き渡るかにかかっている。
ローリー、タンク車、内航タンカーによる輸送が増強されているため、流通段階での供給は大幅に改善されている。
東北・関東地区のSSへの供給も確保されており、営業を開始するSSも増加しているため、ここ数日間で供給は全面的に確保されそうである。
残る3製油所は、火災事故が発生したこともあり、復旧には時間もかかる。復旧には原因究明、今後の安全性の確保も伴うため、調査には時間もかかり、操業再開までは長期となる。
被害を受けた企業は、復旧のための費用、製品供給のための費用、操業を停止したことによる損失など、巨額のコスト負担となり、業績を悪化させるが、安定供給を最優先することで対応している。
石油業界も、地震による火災などで、操業停止の影響を受けたケースもあるが、今回は過去に経験したことのないケースであるため、厳しい状況となっている。