2011.04.25 のニュース
ガソリン商戦 連休前に準備 150円相場を再構築 ~安値物を底上げへ~
原油価格は上昇、コスト高となり、仕切価格は連続値上げが予想されるが、ガソリンは供給増となっており、ユーザー転嫁は厳しい状況である。連休商戦入りを直前に控え、ガソリン市況の立直しを図るため、首都圏の街道沿いSSでは140円台に下落した安値物の150円台乗せを狙っている。ガソリンの仕切価格は9日、16日を通算すると2円50銭/Lの値上げとなっている。さらに23日にも値上げが見込まれている。販売業者は29日からの連休商戦に入ると、その間のユーザー転嫁は難しくなるため連休前までに150円相場を再構築することになる。石油情報センターの調査価格(18日)は平均で152円20銭で40銭の小幅な値上げとなっている。地域によっては下落するなどバラツキが生じている。首都圏の街道沿いではHC、量販店が141円、中心値も145円となっている。安値は140円割れも散見され、震災直後の150円相場は崩れつつある。
原油価格は値上がりしている。WTIは20日、6月限に移行したこともあり、111.45ドル/バーレルとなり、前日に比べて3.17ドルの値上がりとなった。中東産も116ドル前後となり、高値相場が続いている。
この原油高により、ガソリンの価格は160円/L相場も予想され、トリガー税制の発動も検討される状況にあるが、政府としては廃止の方向にある。民主党の内部では反対の意見も強まっているが、財源不尽の実質減税措置は難しい。
一方、ガソリンの仕切価格は値上がりとなっているが、供給増を背景に、ユーザー転嫁は難航している。そのため、安値物を底上げする方向で、市況の再構築を狙っている。
今後、原油価格がさらに10ドル程度値上がりし、また為替が円安に転じ、コスト高となった分を完全に転嫁することになると、160円相場が実現しそうな状況となる。
足元は、ガソリンが供給増で、業転市況は低迷している。灯油などの中間留分に比べると5円程度の安値となっているため、ガソリン安が目立っているため、今後の対応は難しくなってくる。