2011.04.26 のニュース
官公需的確組合制度の強化を
3月11日の東日本大震災で被災した東北地方太平洋岸と東京湾岸の製油所が操業停止した関東。その直後からガソリンをはじめとする石油製品が供給不足に陥った。
県や市町などと災害時協定を結んでいたり、官公需適格組合として契約している各石油組合の組合員SSは、消防や警察などの緊急車両をはじめ病院などの公共施設への燃料供給を優先した。行政各部署からの錯綜する燃料供給要請を、石油組合の事務局が取り仕切る形で組合員SSと連携して可能な限り調達・配送に努力した。
しかし、そうした中で一部にこういう事例が起きている。警察のパトカーなどへの燃料供給について、かつては地元の石油組合が適格組合として随意契約していたが、行政経費節減のため競争入札に切り替えた。その結果、地場業者ではなく全国規模のディーラーが落札した。ところが今回の供給不足に際し、その契約先の大手ディーラーのSSは、早々と店を閉め連絡も取れなくなった。困った警察は石油組合に連絡し、やっと供給してくれるSSを紹介された。そのSSも苦労してガソリンを調達し要望に応えた。
この時の教訓から、新年度つまり4月からの燃料供給については見直しが行われるかと思ったら、やはり価格優先の入札となり、結果的に、緊急時に店を閉めていたディーラーと再び契約した、というのである。
国は毎年6月に「中小企業者に関する国などの契約の方針」を閣議決定し、国や地方公共団体が調達する物品や役務について、中小企業者の受注の機会を増やすよう求めている。最近は、行政経費節減のため論争契約や一括発注が増えていることから、改めて官公需適格組合の活用を促している。
しかし、実際には燃料供給は競争入札に切り替わり、地場業者ではなく県外の大手業者が落札するケースが増えているのが実情だ。地元業者は地元のために尽力するが、行政は地元を無視しコスト優先に走る、という姿である。
今回の大震災において、地場の石油販売業者が組織する官公需適格組合が機能を発揮し、燃料の供給確保に努めたことは行政自身が認識したはずだ。国や地方公共団体は、官公需適確組合制度を、地場の中小企業の振興に災害時の供給確保という視点を加味し、改めてその制度の活用を強化すべきである。