日刊ニュース

2011.05.06 のニュース

販売減少 需給バランス崩れる 原油上昇も業転は下落 ~製品輸出を再開~

製品需給は販売減でバランスを崩し、一転して供給増となってきた。原油は上昇しているが国内の業転市況は下落している。東日本大震災(3月11日)により6製油所の操業が停止したため、他の製油所でのフル稼動、製品輸出の停止などで対応、安定供給の確保に努めた結果、4月中旬に需給は平常化した。しかし、ここに来て販売減少が大幅となったことから、今度はガソリン・中間留分が供給増となっており、その結果として業転市況が下落してきた。大震災を機にガソリン・中間留分の市況は適正マージンを確保する水準となり、各社とも減産対応・製品輸出の再開によって対応しているが、ここで需給が崩れると一気に市況の下落が進みそうであり、元売、販売業者とも危機感を強めている。
 JX日鉱日石エネルギーは5月も減産する一方、輸出を再開する方針で臨む。JXエネの場合は、仙台、鹿島が操業を停止、水島が定期修理に入っているため、大幅な減産となる。
 その他の各社も減産に切り換えし、製品輸出も再開するが、輪出は従来通り、軽油、ジェット燃料油となる。3月にはキャンセル料金を払ってでも輸出を停止していたため、様変わりとなっている。
 国内の末端市況をみると、石油情報センターの週動向調査(25日現在の全国平均)では、ガソリンが153円/L、軽油は133円/Lとなり、前週に比べると各1円の値上がりとなっている。
 4月に仕切価格が値上がりとなったため、それが反映しているが、ここにきて業転玉が出回ってきたため、末端市況の下落が心配されている。
 首都圏では、ガソリンのボトム価格を151円以上とすることを目安として、市況対策に取り組みながら市況維持を狙うが、販売減となると、価格競争の再燃が予想されるため、販売業者は危機感を強めている。
 販売業者サイドは、3月は大震災の影響で供給不足となり、ガソリンなどは適正マージンを確保して一息ついたが、今後、減販となり、市況が下落すると、SS経営は一気に悪化する。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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