2011.05.10 のニュース
連休明け 需給調整に取組む 供給増を減産で解消へ ~定期修理による効果を期待~
連休明けで石油各社は、新しく製品需給・市況対策に取り組むことになる。製品需給はガソリンを中心に供給増となっており、そのため減産、製品輪出の再開で在庫を減らすことになる。震災後の供給不足を解消するため、急遽、各社は、フル生産、製品輸出の停止、輸入の拡大で対応した。だが、販売減と重なり、一気に供給増となった。その結果、業転市況は低迷、ガソリンの末端市況は下落した。そのため各社は減産で対応しているが、簡単には調整ができず供給増が続いている。それでも幸い製油所の定期修理入りとなるため需給調整が見込まれている。定期修理、操業を停止している製油所もあるが、一方では増産、輸出増で対応するケースもあるなど各社間でバラツキが生じている。だが、定期修理が多いため、需給はバランスを保つのではないかとみられている。ただ、5日のWTIが99ドル/バーレルと前日比で9ドルも下落して100ドルを割る急落となり、今後の需給にも影響を及ぼすことが心配されてきた。
今年のガソリン連休商戦は、大型で増販が期待されたが、大震災の影響で不況による節約、自粛ムードから販売は低調となった。そのため、街道沿いのガソリン市況は150円/L割れとなり、ボトム151円以上確保は難しくなった。それでも大きく値崩れすることなく、維持されており、連休明けを機に市況対策に取り組むことになる。
市況を維持するには、減産により需給バランスを保つことになるが、各社の足並みが揃うかがポイントとなる。各社は定期修埋に入り、実況減産となるため需給はバランスする。JXは仙台、鹿島(油槽所として製品出荷は再開)が操業を停止しており、定期修理は大阪が終了、水島、室蘭と続く。出光は千葉が4月15日から定修に入っている。コスモは千葉が操業停止と定修、ついで四日市、堺、坂出と連続して定修を実施する。大震災で被害を受けたJX、コスモは操業を停止しており不利な立場にあるが、このように定修が続くと実質減産となるため、需給は締まることになる。これから不需要期となるため、販売が減少するが市況の維持が最大のポイントとなる。
ただ、原油価格が急落、為替が79円/ドルと円高に転じてきたことが需給、市況に影響を与えることが心配される。5日のWTIは99ドルと前日に比べ9ドルの値下がりとなった。東工取の先物も6日には6~7円/Lの大幅下落となった。