日刊ニュース

2011.05.11 のニュース

原油価格急落 元売、業者ともに戸惑い ~連休明けの市況対策は苦戦~

連休明けに原油価格は急落した。ガソリンは、連休商戦中で値下がりしており、市況の立て直しを図る状況となったが、原油価格が急落しており、厳しい状況となっている。
 WTIが5月2日(月)には113ドル/バーレルであったが、6日(金)には97ドルと1週間で16ドルの急落である。中東産は101ドルへと下落した。WTIの急落で中東産も下落しているが、国内の東工取の先物市況も6日には急落しており、連休明けの市況が注目されるが、9日は横ばいで推移している。原油価格は値上がりが続いていただけに、元売や販売業者は今回の急落に戸惑いをみせている。原油価格の急落が、直ちに国内市況に反映することはなく、様子を見ることになるが、業転市況の値動きが注目される。ガソリンは減販で供給増の状況にあるため市況維持は難しい。
 原油価格は値上がりが続いていたが急落した。中東産でみると、09年度の平均が69.6ドル/バーレル、10年度が84.2ドルで14.6ドルの値上がり、足元は101ドル台で推移しており、出光は11年度の見通しは105ドルで20.9ドル高を見込んでいる。また、09年3月末が47ドルであったが10年3月末が78ドルとなり、その間、31ドルの値上がり、11年3月末が109ドルで1年間で、同じく31ドルの大幅値上がりとなった。3月末の時点で比較すると2年間で62ドルの値上がりとなり、元売は在庫評価益が発生しており決算では利益を確保した。
 10年度の決算では、3月11日の東日本大震災が発生したため、特別損失を計上したが、年間を通じて石油製品のマージンは確保できて好決算となっている。
 大震災の影響を受けて混乱の状況で4月の新年度に入った。見通し難となっているが、原油価格は高値が続くと予想している。
 だが、原油が下落するとなると元売は業績の見直しも必至となる。販売業者も原油価格が下落すると、仕切価格が値下がりするのを先取りして価格競争を展開するため、市況下落が心配
される。とくにガソリンは販売減で供給増となり、連休で下落傾向をみせているだけに厳しい状況が予想される。
 街道沿いSSでは150円割れが増加しており、ここで原油価格が大幅に下落すると価格競争に拍車がかかることが心配されてきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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