2011.05.18 のニュース
SSの節電対策 月4万円のコスト削減 ―全石連 関東支部で先取り実施―
全石連は、16日からSSの節電対策に取り組むことになった。政府が東京電力・福島原発の事故を受けて電力の供給不足をカバーするため、企業、家庭で各15%節電の協力要請を行なったことを先取りして実施するものである。業界団体としては石油業界が初めてのケースである。SSでの節電対策として照明・空調機器で実施すると月額約4万円の電気料金が削減できるとのメニューを提示している。
対象地域は東電管内の1都8県で、全石連・関東支部が自主的に実施するもの。東北電力管内の東北支部でも同様な節電対策を実施する。基本方針として、石連(元売各社)と一体となって取り組むもので、販売子会社SSを含む系列SSで実施されるよう元売に対して系列指導を要請している。
具体策として、4つの「節電メニュー」を提示しており、その中から選択して実施するものである。各県の石商単位で実施するもので、各SSには、「節電に努めています。節電中です」とのポスターを掲示する。
SSの節電メニューは、1日15時間の営業SS(7~22時)の場合をモデルとして、①空調・照明機器の節電。②営業時間の2時間程度の短縮(一時閉店)、③休業日の設定(平日5日のうち1日休業)、④これらの組合せによる実施、を提案している。うち営業時間の短縮、休業日を設定すれば節電効果が見込まれるが、競争激化で24時間営業のSSが増加している状況下では難しい。過去にはガソリンなどの節約を目的で営業時間の短縮、休業日の実施を検討したが、SS間の足並みが揃わなかったこともある。
そのため、節電メニューのうち空調・照明機器の節電が、より実現性が高いとみて、1SS当たりの使用最大電力15%抑制のモデルを提示している。この節電メニューは、照明機器等としてキャノピー灯、サインポール灯、キャノピーサイン、ドライブウェイ灯、事務所灯、などは、7時から17時までの昼間は消灯する。17時から点灯、または5割を消灯する。エアコンは7~18時は設定温度1度上げ、18時以降は2度上げる。自動販売機は終日消灯する。電力消費が多い計量機・洗車機は、稼動中は節電が不可能であり対象から外している。この方針で節電すると、電気料金は月額が平均11万円であったものが7万円となり、4万円のコスト削減となるとの試算を行なっている。この節電対策は、各石商単位で実施となり、組合員が対象であり、強制すると独禁法に抵触するため、あくまで自主的な運動として実施する。当然、HC、無印SSがこの運動に参画することはないとみられるため、SS間でもバラツキが生じることも予想される。
しかし、全石連としては、政府の節電対策に協力することが、社会的な責任を果たすとの立場から自主的に実施する。SSの照明を落とすことで消費者に節電を訴える効果が期待される。同時に販売減になることも心配され、暗くすることで休業と判断されて他のSSヘユーザーが移動するケースが心配となる。だが、従来からSSの照明が明るすぎ、無
駄であるとの批判もあったため、この機に消賢者の理解が得られれば、コスト削減に通じることになり、一鳥二石の効果も見込まれる。