日刊ニュース

2011.05.31 のニュース

問題が噴出する現仕切り

 不適当なところや、不備な点を改めること。これを改正という。
 ところが08年10月以降に導入された現行制度につながる石油製品の週仕切りフォーミュラはどうだろう。改正という言語が用いられる場合は、ほぼ元売側にのみ利することをもって、改正を繰り返す遍歴しか残されていない。
 元売の側にのみ利する改正を繰り返した結果、前3月期の大手元売3社収益は、在庫要因を除く石油精製販売部門の実力部分で、実に前々期比5059億円の良化を果たした。比較対象の前々期が最悪の決算だったことを勘案しても、V字回復であることは疑いようもない。
 逆バネが効き過ぎた面はある、と評する者さえいる元売収益。3社計の石油精製販売部門の4720億円の営業利益を細分化すると、4-9月1196億円、10-3月3524億円であり、改正が完全機能し始めた下半期には、そのバネがより強力な効果を発揮している事実がある。
 昨年3月以降、元売起案による仕切り制度改正の動きが生じた際に、本欄でも度々、元売側に一方的に有利にしか見えない改正の中身に疑問を呈し、特に系列SSの競争力が著しく削がれる事態となることを憂慮した。実力行使的に既成事実となった際には、この制度改正の前提条件として、元売は緻密な需給調整と子会社の率先垂範を管理し、PB-S
Sの競争力が不当に高まることかないよう、手当てすることが大前提だ、と注文を付けた。
 全石連活動、経営部会によるブランド相当料の提案についても、制度改正が、系列SS視点では、実は改悪の部分しか出てきていない実態について、最小限の改正を求めたのだ。
 3.11以降の全国的な需給混乱、被災地を除く正常化の過程で、玉切れを起こした大型PBが即座に戦列復帰した事実。それらが安値をリードし子会社が2番風呂に入り始めている事実。指標割れの取引が頻発し制度の基本が崩れてしまっている事実がある。      
 系列SSは丸1年、元売側に一方的に利する制度改正を受け入れてきた。それによる丸1年間の出血に耐えてきた。系列SSにも利が残る改正を求める権利が我々にはある。
 指標レス何円。これが指標と化してしまっている業転。仮にガソリン需給が中期的に過剰だとするなら、現フォーミュラが適用される限り系列SSは体力を失い続ける。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE