日刊ニュース

2011.06.01 のニュース

ガソリン市況対策 様子待ち 仕切価格は据え置き ~来週あたりから立て直し~

ガソリン市況は下落しているが、販売業者の対応は、当面は様子を見守ることになりそうである。仕切価格は29日から据え置きとなっており、市況下落に歯止めをかけるが、安値を底上げして立て直すことは難しい状況にある。仕切価格は連続して値下がりしたが、原油価格がWTIで100ドル/バーレル台に乗せ、中東産も106~107ドルと値上がりしているため東工取の先物も値上がりしている。一方、仕切価格は据え置きとなったが、混乱した市況を直ちに立て直すことは難しく、安値物は下げ止めをはかり、堅調市況を維持することになる。一連の市況急落は販売減による需給の緩和と販売業者のあせりが出たことになるが、石油各社は、製品輸出の増加、減産で需給調整に取り組んでおり、その効果が出始めている。原油価格の動向にもよるが来週あたりからは市況立て直しの動きとなりそうである。
 ガソリンの仕切価格は据え置くとなっており、末端市況も横ばいを狙うことになった。街道沿いの看板価格は140円/L割れ、HC、量販店が133円となっており、4月に比べると一気に10円程度の急落である。3月11日の大震災後は供給不足となり、市況は堅調で推移したが、5月に入って急落したもので、販売業者のマージンは大幅に減少してきた。
 石油情報センターの調査価格(23日)は首都圏の神奈川が147円、千葉、埼玉が146円台、東京は150円台となっているが、街道沿いの実勢は140円前半となっている。HCが133円となり、周辺は130円台となっている。4月に比べると10円程度の値下がりとなっているが、仕切価格は3~4円の値上がりとなっているため。販売業者は大幅なマージンとなり赤字となっている。
 そのため市況の立て直しが急務となるが、仕切価格が据え置きとなっているため、末端市況は様子を見守る構えにある。下げ過ぎた地域は小幅であるが安値を底上げしているが、足元は値下げを下支えするのが精一杯である。
 これから入梅でガソリン販売は不需要用となり減少するため、SS経営はますます厳しくなる。そのため増販を狙って安値競争が展開されることが心配されるが、下げ過ぎの状況にあるため、様子待ちとなっている。原油価格が再度、WTIで100ドル/バーレル台と値上がりしており、コスト高となってきたため、来週あたりには市況立て直しの動きが出そうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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