2011.06.06 のニュース
ガソリン在庫は減少 販売減で需給を調整 ~中間留分は減販で在庫増~
石油製品需給は各社の減産効果もあり、ガソリン在庫は減少し、平常化してきた。石連週報によると、ガソリン在庫は214万KLで7万KLの減、前年に比べると約40万KL減の水準となっている。ガソリンは販売減となっており、それに見合った在庫減といえる。灯油は228万KLで前週に比べると5万KLの減であるが、前年比では約40万KL増となっている。灯油は昨年の4月が冷え込みで増販となり、低在庫となっていたが、その反動で灯油販売は伸び悩んでいる。軽油は205万KLで前週比でも9万KL増、前年に比べると高い水準にある。
3月11日に発生した東日本大震災後、石油製品の販売は、4月の実績でみると前年同月比で12%減と大幅に落ち込み、5月も販売減が続いた。
4月末現在の製品在庫軽油は、各油種とも前年に比べると増加し、とくに灯油、軽油、C重油などは大幅に増加している。
5月の在庫も、前年に比べると高水準で推移した。ガソリン在庫も減少し、220万KL程度で推移しているが、販売減が影響しているため、供給圧力がかかっている。
原油価格が5月初めには急落したため、5月のWTI平均は101ドル/バーレルで、前月に比べると9ドルの下落、中東産は108ドル台で8ドルの値下がりとなった。
そのため、仕切価格も連続して値下がりとなり、ガソリンの末端市況も値下がりが続いている。
石油情報センターの週動向調査(30日現在の全国平均)は149円/Lとなり、5月初めの153円に比べると4円の値下がりとなったが、首都圏では約10円の下落地区もあり、市況は混乱している。
しかし、元売の減産や製油所の定期修理によって、ガソリンの在庫も減少してきており、ようやく需給が調整されてきているため、6月に入れば市況立て直しの動きが出てきそうである。