日刊ニュース

2011.06.08 のニュース

ガソリン市況立直し 安値を130円台に乗せる ~元売も需給調整に取組む~

ガソリンの仕切価格は4日から50銭~80銭/Lの値上げとなり、販売業者はユーザー転嫁に取り組むことになる。首都圏では安値の130円台を一掃して140円台乗せを狙うことになる。ただ、値上げ幅が約50銭という小幅であるため、今までの下げ過ぎ分をも値上げすることになるが、販売業者の足並みが揃うかどうかは微妙な状況である。HC、量販店は133円、街道沿いのSSは140円を割って138~9円相場となっており、135円も多い。これらを140円台に乗せることになる。末端市況は下げ止めから、ここにきて横ばいの様子待ち状況が続いているため、需給が締まり業転市況が値上がりすれば、市況立て直しも期待される。需給調整は元売の対応にかかってくるが、減産、市中買いに出ても、その効果が出るのはこれからである。
 ガソリンの仕切価格は値上げとなったが、50銭という小幅となっている。EMの外販向けが50銭値上げとなり、JX日鉱日石エネルギーなども追随した。原油価格も値上がりとなってきたが、仕切価格は50銭の小幅であるため、ユーザーへの転嫁は難航が見込まれているのと、減販のため販売業者間で足並みが揃うのかは微妙である。
 5月に入ってガソリン市況は急落しており、元売、販売業者は業績悪化で危機感を強めている。ガソリンの販売数量が大震災後、3月が4.5%減、4月が12%減と大幅に減少しているため、販売業者もあせりが出てきた。4月のガソリン販売は大幅減となったが、各油種も軒並み販売は減少しており、今後の見通しも難しい状況にある。
 減販となるため石油各社は減産で対応することになるが、各社間の思惑もあり、大幅減産で足並み揃うのか注目されるところである。
 今年度の需要の見通しが難しいため減産が実需と見合ったものになるのか、当分様子をみないと分からない。
 減産で対応しても、需要が各社の思惑より減少すると供給増が続くことになる。製油所が定期修理に入るため、需給は調整されるものとみられるが、需要次第で予断は許さない。電力C重油は増販となり、増産で対応するため、どうしてもガソリン、中間留分は供給増となり、市況下落が心配される。その状況下での市況立て直しとなるため、目標達成は難しいようであるが、減販を我慢して取り組むべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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