日刊ニュース

2011.06.09 のニュース

安心、安定な石油を究める

いつでも、必要な量を十分に。エネルギーに関して、この2つのことが中期的に完全に満たされることが、ごく当たり前だった3.11以前。温室効果ガスの排出がゼロという原子力を全面に打ち出した電力および国家は、優れた地球環境性能を被せて家庭ではオール電化、クルマは電気自動車(EV)の普及加速に力を注いだ。
 その基礎が崩壊してしまった3.11以降、オール電化とEVは、どういった普及シナリオが描かれるのか。これらを含めた議論が始まっている。
 製油所と同様に、原発は定期修理が義務付けられており、その頻度は年に1回という。国内の原発54基のうち、14基が震災で稼働を停止、14基が定修により停止、2基が政府要請で停止、24基が稼働中とされる。稼働中の24基についても、老朽化が指摘される関電・美浜など、定修後に再稼働の是非が問われることとなろう。
 電力の供給は識者によると、まず基礎部分を原発で賄い、昼間のピークに併せて比較的、出力調整が容易な火力の稼働率を高める仕組みである、という。夜間は原発の余力を用いて、水力を揚水して、昼間の再利用に備えたりもする。原発が電力会社の収益基盤であり、その原発が発電の基礎を支える。原発の比率を高め、個々の稼働率をより高めることで、電力会社の収益は極大化する。夜間電力の使用が奨励される背景である。
 原発が、より高い安全性を求められ、福島第1と同型は再稼働させにくい環境下で、オール電化推進やEV普及は、どうも相反する言葉になってしまったように感じる。電気に
対してネガティブーキャンペーンを張ろうとするものではないか、まだ電力およびその代理店の店頭にオール電化推進の御旗が上がる光景には違和感を覚えるし、さもEVが被災地で大活躍する、という錯覚報道には、戸惑いを覚える。
 エネルギーの大前提は安定、安心であり、それが備わった先に、新・代エネルギーが登場する。これが鉄則だ。不足が危惧されるエネルギーを、税制支援を続けて、無理やりでも使おうとする道理はない。原発増設を機軸にしたエネルギーの方向性はリセットされる。石油は、資源からSSまで、安定、安心をさらに強固なものとし、より効率的、より環境性能が高い方向を目指そう。今年はその再スタートとなる。

提供元:全国石油商業組合連合会
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