日刊ニュース

2011.06.10 のニュース

元売 市中買いで需給調整 バージ高のローリー安 ~業転市況の値上がり狙う~

ガソリンの業転市況は、バージ(海上)が約123円/L、ローリー(陸上)が122円/Lで推移しており、バージ高のローリー安となっている。元売が市中買いに出ているためである。大量の買いはバージによって行われることになりローリー渡しに比べると割高となっているもの。本来は大口のバージが安く小口のローリーが高いが、元売の積極的な買いが入るとバージが高値となり逆転する。市中買いは製油所の定期修理とも絡むが需給調整により業転市況の値上がりを狙っている。6月に入ってガソリンの仕切価格は50銭~80銭での小幅な値上げとなったが、下げ過ぎ分を是正するため販売業者も市況立直しを狙う方向にある。
 ガソリンは販売減が続き、その結果、供給増となったことで、末端市況は急落した。HC、量販店などは130円/Lの前半であり、街道沿いのSSは140円割れが増加してきた。
 そのため、130円台の安値物を一掃して、140円台乗せを狙うが、業転市況が低迷しているため、系列仕切価格との間に価格差が発生しており、販売業者から反発が強まっている。
 元売サイドは、5月に入ってからの市況下落は大幅であるため、5月の月次決算では赤字となっている。4月は原油の値上がりで、元売は高値の在庫を原油処理しているが、値下がりで逆ザヤとなっているもの。
 原油値上がりによる影響は、日本に到着するには1ヵ月以上のタイムラグがあるため、値上がりによるコスト変動は遅れる。処理する原油は高値であるが、国内市場は急落しているため、逆ザヤになるのはやむを得ない。
 しかし、ガソリンは、5月では10円程度の値下がりとなっているため、6月入りでボトム140円台乗せを狙うことになる。そのため、元売サイドは市中買いに出て、安い業転玉をバキュームすることになった。
 業転市場での売り買いは、商社を通じて行っているが、元売間でも行なわれているため、販売業者は、今後の業転市況の値上がりを期待することになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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