日刊ニュース

2011.06.13 のニュース

阻止する活動、助ける活動

亡くなられた岩手、宮城、福島の8人の方。総会会場にその氏名が伝えられた。いまだ行方不明の岩手の3人の方もおられる。
 文字通りの昼夜を問わない不眠不休体制で、被災地の組合員も組織も、全石連も、そして元売も行政も供給確保に努めだ。3ヵ月前には、まだ春遠かった東北の地で、唯一のエネルギーとして、石油は被災地を灯し、暖め、動かし続けた。そして、石油とSSは、輝きを取り戻すために、再評価の舞台へと登壇しようとしている。
 経済の礎、限りある資源、血の一滴、必需品など、これまでも石油は長く、その基本性能が高く評価されてきた。それでもなお環境負荷を低減する技術を磨き続け、SSと元売は過酷な競争原理に晒され続けながらも、より高品質と低廉を両立してきた。ところが、石油の世紀と冠される20世紀が終わった瞬間、大きくクローズアップされた地球環境問題というフィルターで濾された結果、石油は悪役のトップバッターに据え置かれた。
 被災地では、震災直後からガソリンと灯油をめぐって、きれいごとでは済まされない惨劇がSSでは始まっていた。首都圏と被災地をつなぐ石油の兵姑確保も容易ではなかった。馴染み客から怒号を浴びせ続けられたSSがある。給油待ちの車列からの暴力の危機に脅えたスタッフがいる。暴動の一歩手前、と表現される有り様も生じたと聞く。こうした被災地や物流混乱が生じた地域を舞台とした艱難辛苦の先に、石油もSSも、再評価されようとするいまがあり、これからがある。
 エネルギーとしての災害対応力が極めて高い石油。堅牢極まりないSS。地域社会に極めて責任感が強い経営者。タフで誠実なスタッフ。我々が、元売が、政治も行政もが震災で再発見した宝物であり、石油とSSの再評価に資するキーワードだ。
 いま激戦地では、石油に携わる当事者自身が、その評価を貶める事態が生じている。販売不振症状に陥ったガソリンは、卸市況がPB量販店により優位に傾き、首都圏を含む関東市況では、中小の系列SSの地盤沈下が著しい。被災地からも県外大手の出先SSが暴れ、その抗議の報が届く。キーワードの担い手が再び苦しみ始めているのだ。
 宝物を備えていたはずの8人の氏名を聞いた我々は、この総会を契機に、必ずや王道を歩むことを誓おう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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