日刊ニュース

2011.06.23 のニュース

漁港の燃料供給、早期復興を

 漁港には魚市場を中心に冷凍・冷蔵施設や加工場、造船所、さらには漁船への燃料供給のための貯蔵タンク、バージ船などに給油する専用桟橋などの設備が備わっている。大震
災ではこうした施設や機能を備えた数多くの漁港か壊滅的状態に陥った。
 三陸の幸を提供してきたこれらの漁港か被災したことで、わが国の水産業全体にも甚大な影響が及んでいる。一刻も早い復旧・復興が望まれるが、いまだ停電や断水、道路も通行できない地区もあり、魚港とそれを構成する各種施設か復活するためには、まだ多くの時間がかかりそうだ。
 そうした漁港で燃料供給を担ってきた仲間を見舞い励まそうと、全石連農林漁業部会の菅原耕部会長が先週、宮古、釜石、大船渡、気仙沼、石巻、塩釜を回った。各港でリーダー的役割を担っている部会メンバーや事業者に会い、被害の状況や復旧・復興への取り組みなどを聞いた。
 漁業関連の燃料供給事業者が最も打撃を受けたのが、燃料貯蔵タンクと漁船に燃料を供給するバージ船の被害だ。テレビ報道などでは、巨大な燃料タンクがなき倒されていたり、大きな船が内陸部まで乗り上げた姿が報道され、皆がその津波の破壊力に驚かされた。燃料タンクやバージ船の中には、一旦、打ち上げられたものの引き潮で海に戻され、海底に沈んでいるものも多数あるという。
 内陸部や埠頭に乗り上げたバージ船やタンクなどは、所有する事業者が自らクレーン車など手配し片付けた。そのため事業者は被災したうえに、膨大なコスト負担を余儀なくさ
れた。これについては第1次補正予算での復旧支援事業として遡及適用が認められたことから、現在その手続きか行われているという。
 また、海底に沈んだり行方不明になったタンクやバージ船は、被災から3ヵ月経過して所有権放棄の手続きを進めている。この手続きを進めることで、国の費用で撤去処分されることになるという。
 漁港の復活は国や自治体による復興プランなどとも関連するが、各港の石油販売業者はこうした負担軽減のための支援策を活用しながら、それぞれ再起に向けて取り組んでいる。中にはリーダー的な大手事業者同士が共同でタンク再建などを計画しているケースもあるという。燃料供給を担う組合員が再び力強く立ち上がることを、全国の組合員が期待し応援している。

提供元:全国石油商業組合連合会
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