日刊ニュース

2011.06.28 のニュース

転嫁不足の早期回収が必要

大震災以降のガソリン販売数量は低迷が続くトレントが続いている。そこに、需要の追い風であった高速の休日1千円が終了した。
 梅雨最中に猛暑がいち早く到来し節電対策が本番を迎えようとしている。中には、自立型・分散型電源を有する車中の滞在時間が長くなるから、ガソリン消費が増える、というシナリオもある。
 ガソリン在庫が過剰だったのは過去の話となり、近況はむしろ引き締まり局面となっており、原油に倍するガソリン卸の上げ幅が生じている。一方では、大震災で休止していた製油所が再稼働するなど、生産量は増え始めている。発電向け供給がピークに向かうだろうから、連産されてしまう宿命のガソリン需給は、再度、局面が変わる可能性も残っている。
 夏商戦の本番を控え、我々の目に映る経営環境に影響する材料を並べてみると、ざっと、このようなラインアップになる。量的な面では残念ながらマイナス色が強く、プラス色は薄い。量的なマイナス色をリカバーするために、経営のもう一つの要素である粗利を上方修正する手建てが残る。経費を削る。小売値を据え置くなら仕入値を下げる。仕入値が下がらなければ小売値を上げる。このいずれかを目指すこととなる。
 その粗利の近況の平均像は、5月下旬以降は、週を追うごとに縮小に縮小を重ねている。
 卸価格の上昇から丸2週間遅れで、ようやくガソリン小売価格はわずかな上昇に転じた。縮小してしまったSS粗利を回復させるためには、この遅れを取り戻すことが最優先事項だが、ところが、そのベースとなる原油価格には、明らかな値下がり圧力が生じようとしている。原油下落の影響が顕在化する前に、まず、この1ヵ月間に生じてしまったロスを回復させねばならない。その先に、数量面でマイナス影響が色濃い夏商戦の本番がある。
 先週当初に小売価格が上昇に転じていなかった14府県は、水面下からの浮上に向け、時間的な猶予はごくごく少なくなっていることを知るべきだろう。数量でマイナスを被り、粗利低迷のまま夏商戦に突入すると、そのマイナス幅は極大化する。そんなシナリオが、現実化してしまう。このことを先週末に急落した原油相場が告げているのだ。原油や卸が本格値下げになれば、残債を抱えた我々SSの夏商戦が凍ってしまう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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