日刊ニュース

2011.06.28 のニュース

WTIが91ドルへ急落 IEAの備蓄放出決定で ~日本も3日分を引き下げ~

原油価格は、23日のWTIが91ドル/バーレル台となり、前日に比べ4ドル以上の急落となった。IEAが石油の備蓄を200万バーレル/日、30日間で6000万バーレルを放出すると決めたことで、一時は90ドルを割るまで下落した。IEAの決定を受けて、経済産業省は24日、27日から1ヵ月間、民間備蓄義務量を70日分から67日分まで、3日分の引き下げを決めた。民間備蓄の引き下げは、東日本大震災後でも実施したため、すでに経験済みであるが、国内の製品需給には大きく影響することはなかった。天坊・石油連盟会長は「石油安定供給の実現に向けての取組みとして評価できるものであり、石油業界としても協力する」とコメントしている。
 原油価格は、IEAの備蓄放出を発表したことで原油価格が急落した。放出の理由はリビア情勢による世界的な原油供給の混乱へ対応するもので、加盟国が協調することになった。
 足元のWTIは、5月の平均が101ドルであったものが、95ドルと100ドルを割っており、23日には91ドルまで値下がりした。しかし、ヨーロッパの指標であるブレントは110ドル台(5月の平均は115ドル、中東産も107ドル(108ドル)で推移している。
 原油高については、アメリカもガソリン価格が値上がり、消費者物価の上昇で景気後退の心配もあり、OPECに増産を要請していた。しかし、8日のOPEC総会ではサウジの増産要請が認められず先送りとなった。
 総会直後は原油価格が上昇したが、その後は下落している。
 下落中での備蓄放出であるため、さらに下落に拍車がかかっているのか今後の動向をみることになる。
 現在の原油価格の水準をどうみるかは、産油国と消費国とでは立場が違うが、100ドル台は高値となる。
 日本の場合は中東産の値動きが注目され、産油国も70~80ドルという見方もあったが、90ドルの攻防となりそうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目22-3
TEL:03-3814-4728
FAX:03-3814-4745
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE