日刊ニュース

2011.06.29 のニュース

ガソリン底値は148円相場 ユーザー転嫁が浸透 ~遅れていたが目標達成~

首都圏のガソリン市況は値上がりをみせており、ボトム価格は148円/Lに乗せてきた。6月入りで仕切価格の値上げが続いたが、ようやくユーザー転嫁が本格化してきた。業転市況が値上がりしており、安値物の130円台が消えて、140円台に乗せ、街道沿いのボトム価格は目標とした148円台に乗せてきた。業転市況は、大口のバージ物(海上物)が高騰するなど異常な状況となっている。元売が製油所の定期修理入りで在庫を積み増しするなど市中買いに出ており、ガソリンは需給が締まっているため、業転市況は値上がりしてきた。バージ物の値上がりを受けてローリー物も値上がりしており、系列仕切価格はローリー価格に連動するため値上がりとなってきた。通常安い業転玉を手当てしているSSも値上げしないと赤字となるため末端市況を値上げすることになってきた。ただ、IEAが石油備蓄の放出を決めたことで原油価格が値下がりしてきたため、国内の市況に影響が出ることが心配されている。
 首都圏のガソリン市況は値上がりをみせており、ボトム価格は148円/L相場が形成されてきた。ユーザー転嫁が軌道に乗ってきたが、ここにきて原油価格が下落傾向をみせており、気になるところである。直近の原油価格と国内のガソリン市況との間にタイムラグが生じるが、業転市況の需給がタイトで高価で推移しているため、当分の間は末端市況は維持されるものとみられている。
 IEAが22日、石油備蓄の放出を決めたことで原油価格(WTI)が91ドル/バーレル(5月の平均は101.4ドル)と下落してきた。WTIの下落でブレント、中東産も連動して下落している。日本の輸入原油価格は中東産が大半であるため、中東産のスポット市況の値動きに連動するため、流動的である。国内ではガソリンを中心にユーザー転嫁の最中であるため、WTIの下落はユーザー転嫁の行方に水を差すのではないかと心配されている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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