日刊ニュース

2011.07.07 のニュース

充足していた過去の再検証

 東京オリンピックが終わり、高度成長の真っ只中の1967年度末。SS数は3万6809ヵ所。前年度5617ヵ所増。当時のガソリン内需は1429万KL、前年度比15.6%増。我々SS業界も、元売も、現在の中国顔負けの高度成長期にあったことがわかる。この翌年にはSS数は3600ヵ所増えて4万409ヵ所と大台に乗せ、ガソリン内需は14.6%増えて1637万KLとなった。
 1SS平均のガソリン販売量は67年度が月間32.4KLで、翌68年度は33.8KL。増加率は年4.2%で、割合に小粒で、増加幅も少なく見えてしまうが、皆が経済成長、事業の成長を疑わない時代であり、その採算性も我々自身の手元に委ねられていた。
 43年ぶりにSS数が4万カ所を割った今日。ガソリン内需は当時の4倍にも膨らんでいるが、それでも「足りない」というSSが多い。
 ガソリン内需が高止まりする一方で、SS数のハイペース減少が続いている。その影響で、1SS平均のガソリン販売量は月間125KL、年1500KLと巨大化したが、それでも採算に「届かない」SSが多い。
 クルマの台数はいかがであろうか。1SS平均のそれは、恐らくガソリン数量以上の大きな伸びを示しているだろう。そこに、電装品や内外装など、クルマ自体のアフターマーケットの規模拡大が加わる。保険や車検などの力ーライフを支える事業領域も大きく拡大しただろう。油外全体の事業規模と中身は、さらに大きく変貌した。それでも油外が「売れない」という。
 60~70年までに新設されたSSの多くが、地下に経年劣化か懸念される貯蔵タンクを有する。そのSSに対して、事業を継続する場合には多大な設備投資か必要になる消防法省令改正が施行され、希望するSSの半分に、支援の手が差し伸べられた。これらのSSは過去40~50年間で、1SS平均でガソリン税18億円、軽油引取税6.9億円など累計(27億4千万円の旧・道路目的税を間接または直接徴税してきた。
 これらのSSがすべて再生するために、国の支援を求める道理が過去を振り返ると見えてくる。我々が「足りない」ものを「足りてきた」という体感に変化させるためには、過去を見れば数多くの材料があるようにも見えてくる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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