日刊ニュース

2011.07.11 のニュース

1円が開く中期的ビジョン

 今週初めの4日時点のガソリン小売価格は、全国平均は前週比横ばいに踏みとどまったが、0.8円安の愛知、0.5円安の埼玉と香川など23都道県で値下がりした。一方で0.7円高の広島、0.5円高の群馬と沖縄など17府県で値上がりした。上下で1.5円の格差が生じた勘定だ。
 値下がりした23都道県などでは、前週末に卸指標が1円レベルで値下がりしたことの影響が大きいのだろう。事実、関東一円に大きな市況影響力を有する異業種PB量販SSが2円下方修正したことで、周辺ではそれに引きずられたところも多い。ところが、値上がりした17府県と横ばいの7県がある。この24府県では、多くのSSが踏ん張ったことを意味する。群馬には、くだんの異業種PB量販店が複数立地する。
 いま我々は踏ん張らなければならない端境期に差し掛かっている。高速休日1千円がなくなってしまった夏商戦が控えていることがある。不安定なエネルギー事情に左右されそうな夏商戦が控えていることがある。こうした数量面でのネガティブな影響が出そうな材料が見えている。さらに粗利の面での傷がある。全国的に、ゴールデンウイーク以降、卸見合い以上に値下がりしてしまった小売がある。秋田、香川では過去9週間でガソリンは7.3円値下がりしている。この2県に東北5県、新潟、長野、埼玉、石川、兵庫、岡
山、島根。この14県では5円以上の小売下落が生じている。悲劇的な粗利縮小が生じてしまっている、ということである。極小化してしまった粗利を、夏商戦本番までに、少しでも回復させなければならない。
 こうした短期的な修正を加え続けない限り、中期的な対応は無理というものである。中期的な対応とは、40年近い地下タンクの歴史を有するものは再来年1月までに求められる投資対応であり、その対象でないSSも、そうした設備劣化などを踏まえた再投資原資を蓄える、ということである。
 SSの次世代ビジネスモデルも、新エネルギー対応も、それに相応しい対応力を有するSSの言葉だ。ありがたいことに地域社会からは、多くのSSが中期的な対応力を有することを求められている。個々のSSが昨日よりも今日、今日よりも明日、自身の力を高めることで道は開ける。まず1円から始めよう。1円を我慢しよう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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