日刊ニュース

2011.07.13 のニュース

ガソリン調査価格 毎週1円変動 ―仕切価格の変動で市況対策も難航―

 石油情報センターの週動向調査(4日)によるとガソリン価格は148円70銭/Lで前週(6月27日)の横ばいとなった。四捨五入では149円となる。調査価格でみるとガソリン市況は毎週1円単位で変動しており、原油価格、仕切価格の変動を反映したことになる。ちなみに5月9日が152円であったものが、その後毎週各1円値下がり、6月13日には147円まで下落、その後は毎週1円値上がり、149円に上昇している。
 これは全国平均という統計上の数字であるが、SS単位で見れば1日で2~3円の上げ、下げとなっているのが実態である。
 原油価格が4月で値上がりしたため、ガソリンは153円まで値上がりした。その後は原油価格が5~6月で値下がりしたため仕切価格が値下がりとなり、ガソリンは147円に下落したが、再度6月末に149円まで戻し、1ヶ月前の水準となった。
 原油価格は値下がり傾向であったが、その間、一時的には値上がり。値下がりが続いたため、仕切価格は週決めでその都度に変動した。6月には製油所の定則修理もあり、元売の市中買いもあって、業転市況はバージ物(海上物)が急騰するなど大きく変動し、ローリー物との間に7~8円という大幅な価格差がついた。業転市況の上昇は国内の需給を反映したものであり、それも通常安値の大口のバージ物が逆転して高値となった。元売の市中買いは予想されたが、想定外の業転不足となった。
 最近はバージ物とローリー物との価格差が縮小されて正常化してきた。そのため仕切価格は6月11日から1円、18日から2円値上げと連続値上げとなったことから末端市況も値上がりしたが、7月2日から約1円/Lの値下げ、9日から1円の値上げと変動しており、市況対策が難しくなっている。ここにきて原油価格は値上がりに転じており、今後のガソリン末端市況は横ばいで推移しそうである。
 首都圏では6月末でガソリンのボトム価格が148円に値上げされ、HC、量販店は136円に値上げされたが、7月で仕切価格が値下げされたため、ボトム146円へ値下げされる地区も出た。だが、再び仕切価格が値上げとなった。このように仕切価格が変動していることから、末端市況は地域によって大きく変動している。
 原油価格は、平均でみると5月、6月は値下げとなっているが、週単位でみると上げ、下げが繰り返されているため、仕切価格も変動している。このように仕切価格に小幅な変動が続くとユーザー転嫁が難しくなる。販売業者も月決めの新体系に移行後は、原油価格、業転市況をみながら、仕切価格の通告を予測して市況対策に取り込むが、さらに周辺SSの出方をみて対応することになる。過去の元売まかせの月決め制に比べると販売業者も自主的な経営判断が求められている。
 仕切価格の通告は金曜日、実施は土曜日となるため、ユーザー転嫁も即実施しないと間に合わない。だが、値上げの場合は、ユーザー転嫁は、2~3円単位で実施するためどうしても遅れる。この間、販売業者のかぶりとなるが。この状況を繰り返すと業績は悪化する一方であるので、小幅でも即転嫁すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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