日刊ニュース

2011.07.13 のニュース

原油価格の動向に注目 備蓄放出するも値上がり気味

 原油価格は、6月23日にIEAが石油備蓄の放出を決めたことから、WTIは100ドル/バーレル台から90ドルに下落した。だが、直ちに反発して95ドルに値上がり、7日には98ドルへと上昇、8日には96ドルに値下がりしたが、先高となっている。ブレントは118ドルと依然として高値で推移している。備蓄放出の成果の判断は難しいが、今のところ効果が消え、再度値上がりが見込まれそうである。
「ブレント・中東産高のWTI安」という価格差が大幅な体系が続いており、WTIが一時値下がりしたが、原油価格の指標として役割を失っている。そのためWTIの動向を参考にして、販売業者が市況対策に取り込むと予測を誤ることになる。
 アメリカがIEAの石油備蓄の放出を要請したのは、ガソリンの高値が消費者物価を押し上げ、景気後退が懸念されるためである。しかし、原油価格は需給で決まらず、金融商品化されているため需給を緩和して価格を抑えることは難しい。
 日本も協力して3日分の民間備蓄を放出したが、原油価格の下落が仕切価格の値上げ時期と重なり、ユーザー転嫁を実施していた時期であったためマイナスとなった。再度、仕切価格が値上がりに転じており、今後の原油価格の動向が注目されている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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